講談社現代新書<br> 現代語訳 貧乏物語

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講談社現代新書
現代語訳 貧乏物語

  • ISBN:9784062883726

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内容説明

不朽の名著×知の巨人 100年目のコラボレーション! 佐藤優が「貧困」の正体に挑む!なぜ豊かな国に多数の「貧乏人」がいるのか?なぜ働いても貧乏から脱出できないのか?トランプ、サンダース旋風の正体は?資本主義の矛盾を解決するための処方箋とは?絶望的な貧困が日本を、世界を覆う現在、「貧困」と格闘した経済学者の思考を引き継ぐ。

目次

はじめに 『貧乏物語』と現代  佐藤 優
序 (弘文堂版)
上編  いかに多数の人が貧乏しているか
中編  何ゆえに多数の人が貧乏しているか
下編  どうすれば貧乏を根治できるか
付録 ロイド・ジョージ
おわりに 貧困と資本主義  佐藤 優

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

壱萬弐仟縁

52
ラスキンの有名な句に、“There is no wealth but life.”(財産などない、あるのは人生だけだ)。財産は、人生の目的―「道を聞く」という人生唯一の目的、ただその目的を果たすための手段としてのみ、意義があるに過ぎません(新書25-26頁)。岩波文庫に戻ってみよう。人類社会より貧乏を退治せんことを希望するも、貧乏なるものがかくのごとく人の道を聞くの妨げとなるがためのみ(文庫5頁)。やはり、佐藤先生の本で気になった部分を、岩波文庫で遡る。比べることが重要だと思う。2017/02/18

非日常口

37
大筋良い。確かに贅沢品に生産力が持って行かれ、本来食料等の必需品に向かえば貧乏が減るのにそうならない。が、例えば、先日自動運転の車が事故ったという話がニュースになったが、あの技術を使えば現在進むGPSを使った無人の農作のレベルは飛躍的高まるのではないか。減反もやめれば超高齢かつ人出不足の日本農業で、食糧の価格を抑えて普及もできる気がする。一見無駄に見える贅沢もイノベーションのため素地となり、別の形の分配、後の時代にコモディティなり良いものが安くなる。そうなるまでは贅沢で無駄に見えることも多いだろう。2016/07/05

Miyako Hongo

22
百年ほど前に書かれた経済(?)の本。欧州の豊かな先進国に食うに困る貧乏人が沢山いるのはどうしてか、世の中から貧乏をなくすにはどうすればいいのかを論じた本。今日と変わらない貧富の格差の是正に関して倫理道徳面に重きを置いた社会主義を提言。歴史の中には今日と変わらない問題を解決しようと足掻いた先人たちかゴマンといるんだなぁと感慨深い。□そろそろ資本主義の限界が見えてきた今日この頃。個人的には財産世襲廃止と教育無償化、生存必需品の無償化とその対価としての公共労働あたりどうかなーと思ってる。2016/11/06

空猫

22
豊かなはずの先進国にさえ貧困があるのは何故か?に斬り込み、1916年から約3ヵ月大阪朝日新聞に連載されたものを、佐藤優氏が現代語訳し、現代の問題と絡めた自説を加えた一冊。kindle版で原文が無料であるし、そんなに苦もなく読めそうなのでそちらでも。まあ、ほぼ絶版状態(?)だった古典を知らしめてくれて感謝したい。国はまず民の食を満たす、その次に子供の教育、老後の安心、それ無くして国家の安定、未来はない。人は変わらないし歴史は繰り返す。アダム・スミスと比較して読むとベストかも(ずっと積ん読(..))2016/07/28

ニゴディー

14
どうもピンとこない。 現代にも通じるところはあるんだと思うけど、だからといってこの本に書かれているようなことが役に立つ(個人としてもだけど、社会としても)かといわれるとよくわからない。 単なる現代語訳で終わらせず合間に現代の問題と照らし合わせながら訳者の考えを入れるような内容の方が良かったように思う。2021/05/15

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