内容説明
東京で暮らしはじめた時の、高揚と緊張は“私”を初心にかえらせる―古本めぐり40年、上京27年目の著者が、本と街を歩いて辿った作家たちの原点。上京する文學2―あの人の「上京&東京」物語。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
hiratax
4
各作家の上京論を文献資料をもとにひもとく。末尾には著者自身の上京録も。20代を非常勤の国語教師として関西地方を転々とし、32歳で上京。最初に住んだ場所は川向うの埼玉県戸田市だったという。著者のカバー領域は広いんだがこれも「古本」という磁場があるゆえだろう。著者はコレクターではあるが、希少本より100円本を選ぶ。ゆえに山師的、投機的な嫌味がないのもいい。偏在するものをどう面白がるか、という視点はサブカルチャー的でもある。2016/06/24
山男777
2
作家氏の出は大阪なのだが東京に憧れ。まず東京の生活基盤が大前提、それから生計を得る。東京にこだわるのは強いていえば東京のレトロ文化のこだわりからだろうか、路地裏散歩、聞いたことはない文人墨客をあますことなく網羅登場させる。当時蠢いたであろう足跡を辿る。興味深く拝読面白かった。他に本があれば読んで応援したいものだ。2016/05/09
あまたあるほし
1
岡崎氏の東京がとても良かった。2025/01/15
yoshiyuki okada
1
『昭和三十年代の匂い』(ちくま文庫)以来の岡崎武志。著者は大阪の人だったんですね。よく東京を歩いておられる。歩かなければ書けない本です。2017/12/04
poefan
1
佐藤泰志の国分寺、出久根達郎の月島、庄野潤三の石神井、司修の赤羽、開高健は東京、藤子不二雄がトキワ荘、友部正人の阿佐ヶ谷、富岡多恵子の新宿などなど著者の若き日とも重ねて綴られる東京物語。文化を勉強するための基本図書の一冊。2016/06/16