講談社現代新書<br> 文化大革命

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講談社現代新書
文化大革命

  • 著者名:矢吹晋【著】
  • 価格 ¥891(本体¥810)
  • 講談社(2016/07発売)
  • ポイント 8pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784061489714

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内容説明

天安門広場に毛語録の波が揺れる。「造反有理」から「批林批孔」「四人組」まで、当時の中国はまさに混乱のるつぼであった。社会主義における変革とは何か。毛沢東のかかげた夢と、現実を膨大な資料の中から検証しつつ現代中国の起点といえる文化大革命の真相を、具体的かつ、実証的に抉り出した待望の書。(講談社現代新書)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

HANA

62
中国全土を混乱に叩き落した「文化大革命」。どうしてもその被害やらに目が行きがちなこの事件だが、本書は主にその思想的背景を解説した一冊となっている。この視点には詳しくないのだが、人民公社や大躍進で権威が落ちていた毛沢東の一発逆転を狙ったものと解しており、それが裏付けられた形。人民公社設立から文革、そしてそれが天安門事件に及ぼした影響まで、被害ではなく文革の歴史を綴っているのはありがたいかな。1980年代に書かれたもので情報には古い部分があるかもしれないけど、文革の背景を押さえるには丁度いい一冊だと思う。2021/05/13

ステビア

18
89年に出版された本ゆえ現在の視点でどの程度記述が確かなのかわからないが、現代中国史の暗部をなんとなく知ることができた2020/06/01

kitten

17
嫁の蔵書より。中国の文化大革命は、言葉しか知らなくて、あまり良いイメージはなかった。実際に読んでみると、これはかなりヤバかったな。4人組の中に、毛沢東夫人が入っていたことにびっくり。女性でそんなに権力握ってたんだ。何がやばいって、教育を一切放棄して革命したところがヤバい。「文化」と名前付いてるけど、文化なんてほとんど関係なくて、ほぼ政治闘争。むしろ、スターリンの大粛清の方が近かった。これが50年前なのに、中国はよくここまで発展したよね。日本の戦後復興に匹敵するすごさじゃないかな。2022/07/15

荒野の狼

15
文化大革命を、毛沢東の人物像を解析しながら解説した書。本書に登場する人物、引用文献は多く、専門性が高い。文革を踏まえて、当時の情勢を解説している部分は、現代にも通じる部分は多い(例「資本主義社会は大きく変貌し、かつては社会主義が主張していたほとんどすべてが、資本主義体制のなかに取り込まれた。たとえば完全雇用の達成や失業保護、社会保障などの政策がそれである。20世紀終末では、資本主義もそれらしくなく、社会主義はもっとその名にふさわしくないp43.」)。2021/04/27

skunk_c

11
天安門事件直後に上梓。その時点で得られた中国側史料を駆使し、人民共和国史上最大の損失とさえ言われる10年について、権力・派閥闘争を、それぞれのアクターの個性にまで踏み込んで論じている。そのため概説書と言うよりはドキュメンタリーに近い臨場感を感じた。紅衛兵を煽りながら、コントロールを失うと梯子を外すような毛沢東のやり方には、「大躍進」で見られたコミューン至上の理想主義に加え、周辺の情報に惑わされた判断のぶれを感じる。周恩来の評価は微妙だが、鄧小平を生き残らせたことで「四つの現代化」を達成したようにも思える。2016/02/10

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