不平等の経済学

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不平等の経済学

  • ISBN:9784492312803

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内容説明

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1998年ノーベル経済学賞を受賞したインド出身のセン教授の主著の一つ。厚生経済学への批判から生まれたセンの「福祉の経済学」の理論を集大成した名著拡大版。
【主な内容】初版まえがき
拡大版まえがき
第1章 厚生経済学・功利主義・衡平性
第2章 不平等の測度
第3章 準順序としての不平等測度
第4章 勤労度・必要度・不平等度
補論 四半世紀後の『不平等の経済学』

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

やまやま

8
厚生経済学は、類書をみてもなかなか難しい理論のようである。訳者あとがきにあるように「経済学者が道楽半分に手を出してそれから捨ててしまい、やがて良心の痛みを感じて立ち戻っていく(ミシャン)」という表現もうなずけ、本書の数式はノートをとりながら追わざるを得ないという忍耐も要した。興味深い例をいくつか述べるとすれば、国民医療サービスまたは医療保険の選択論、中国文革の哲学(選択を個人主義的な選好や個人的厚生から切り離す)、実態分析のための貧困線(指標)と緊急な所得支援のための貧困線の明確な区別といった指摘かと。2019/06/02

roughfractus02

6
ケーキの分配と所得の分配は違う。前者はその分け方からすぐ平等と不平等を理解ができるが、後者は地域の状態や人間同士の対立等の背景で異なるからだ。著者は経済学が前提とする自由と平等の関係ではなく、自由と不平等の関係から始める。本書では富と所得を区別し、所得の分配に絞って数学的に不平等測度を捉え直され、分散、変動係数、ローレンツ曲線のジニ係数が検討される。ここから導出されるのは、客観的に観察できる測度と倫理的規範によって評価される速度を精密度の低い準順序(推移性を満たさない場合もある)に置く不平等の理論である。2020/06/28

うえ

4
「所得で見た場合の相対的な窮乏は、潜在能力で見た場合の絶対的な窮乏をもたらすことがあり得る。富裕な国で相対的に貧しいことは、絶対的な所得が世界標準に照らして高い場合においてさえ、きわめて大きなハンディキャップとなり得る…一般的に富裕な国では、同じ社会的機能を達成するに十分な財貨を購入するために、より多くの所得が必要とされることになる…アダム・スミスが注意を喚起したように「羞恥心をもたずに公衆の面前に現れる」ためには、貧しい国より豊かな国の方が、確立された基準にによって一層高価な服を必要とするかもしれない」2017/10/08

がっち

2
不平等の経済を実に解析した良書である。読むには経済学の基礎知識と数学の知識がいるが、厚生がなざ不平等を是正しないのか、ジレンマが起きるのかをよく理解できる。所得にもとづく、所得アプローチから潜在能力アプローチへの変化であり、貧困の改革を示唆しているのだ。2013/06/12

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