- ホーム
- > 電子書籍
- > 教養文庫・新書・選書
内容説明
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。
「霊」について存在を信じる人は少なくない。その背後には、「人は死んだら魂はどうなるのか」という素朴かつ根源的な疑問が残っているからであろう。だが、そこにはさまざまなインチキがつけこむ余地もある。そもそも「霊」とはいかなるものなのか?宗教界では「霊」をどう捉えているのか? 科学的に「霊」を扱うには、どう考えればよいのか? 科学者が自らの輪廻転生観を示しながら、この難問に迫る野心作。(ブルーバックス・2002年9月刊)
目次
第1章 霊に惑わされる人々
第2章 霊についての仏教各宗派の見解
第3章 霊はあるか
第4章 岡部金治郎氏の「死後の世界」論
第5章 科学的な輪廻転生観
第6章 霊に惑わされずに生きる
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ゲオルギオ・ハーン
26
霊感商法や祟りなどの脅しに騙されないために、『霊』をどのように考えるべきか考察した一冊。手間はけっこうかけている。日本の仏教の各宗派にアンケートをとっているところは(微妙に伝わってないのでは、という回答もあったが)興味深い。他に学生向けの霊についてのアンケートもある。後半はネタ切れのためかエッセイ的になっているので少し退屈なところもある。権威主義的な人、肩書きに弱い人は騙されやすいというのはなんだか分かる気がする。2023/04/17
ヨミナガラ
10
“◇岡田孝道氏の見解/人間が死というものによって突然永遠の無に帰するとは私にはとうてい考えられません。たとえ人として肉体は亡びても、霊魂は永く相続されるという仏教の説く輪廻の法を私は信じます/(イ)肯定する。(比叡山)〔…〕(ト)真にその通りと考える。(日蓮主義仏立講)〔…〕(ヲ)「たとえ肉体は滅びても〔…〕」という思想は釈尊が否定した「梵我一如」のウパニシャッド哲学であり,仏教ではない。〔…〕(浄土真宗教学研究所)〔…〕(タ)霊魂の滅・不滅は個人的見解の相違。〔…〕(真言毘盧舎那宗千手寺)〔…〕”2014/06/02
おおかみ
10
構成が体系的でないためか、散漫な印象が残る。ただし本書の主張は明快で、科学と非科学の峻別、すなわち「科学的命題には科学的な思考を貫く」ことの重要性を説く。霊の存在の是非を論じるものではなく、霊感商法の犠牲者が後を絶たないことに心を痛めた著者の叫びなのである。2011/09/08
魚京童!
7
誤魔化すな!2014/01/10
とまと
5
「霊はあるか」というタイトルは微妙。霊感商法対策、仏教理解、日本仏教の現状について。科学的輪廻転生論が面白い。著者曰く、「科学的命題には科学的思考を貫く」。本書もそれを実践している。しかし、その態度では、科学的思考を軽視する人には響かないだろうなあ。 2013/06/23