内容説明
ザハ・ハディド、キールアーチ、デザインビルド……新国立競技場をめぐる議論で飛び交った「現代建築」の固有名詞や専門用語。これだけ世間の関心を集めたのに、その歴史や作品の価値は知らないことばかり。考えてみれば、そもそも現代建築の「現代」っていつから? モダニズムとポスト・モダニズムはどこが違うの? 超高層ビルは国家の象徴だけど、ショッピングモールはただの金儲けの手段? 日本の現代建築の名作は、寿命わずか30年? 丹下健三、磯崎新、安藤忠雄ら日本の建築家たちはなぜ世界から尊敬されるの? など、素朴な疑問がいっぱい。そこで、建築評論の第一人者が、現代建築の“裏”も“表”も“光”も“闇”もやさしく解き明かす。「現代建築を理解すれば、わたしたちが日常を送っている世界の本質が見通せるようになるはずです」と著者。建築家・隈研吾氏も、「時代のなかの建築を、驚愕する博識で見事に語ってくれる」一冊だと推薦!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ビイーン
23
違った観点から建築を眺めることができ、良い本だと思う。2018/09/23
おくりゆう
13
思っていた内容とは違ったのですが、建築と社会の関係、付き合い方、見方には一つの考え方としてなるほど、と思うところもありました。 また、写真入りで観に行きたい建築が増えたことも個人的には嬉しいです。2017/12/31
ハパナ
5
本書の殆どが現代建築というデザインの意匠に対する内容ではなく、都市計画に絡んで来る様な大規模公共・商業施設の建築背景情報が書かれています。読みが浅いからかもしれないが、他人の財布でフルコース料理を食べながら批判をしている様なスタンスに思え、個人的に読後感が良くなかった。 2016/11/06
Teo
2
近代までは権力がパトロンとなって巨大建築が建てられ近年までは企業等がパトロンとなって巨大建築が建てられた建築界が、遂に後ろ盾を失って思うがままの物が作れない現代では民衆の目線を気にしながらの建築になった。そのせいで無難な物かどこに意志決定があるのか迷走した物しか出現の余地が無い情勢を、現代建築家はどう応えて行けるのだろう。それには民衆に取説を理解して貰うのが良いのではないかと、訴えてる様に見える。その取説として建築とはどんなものかを著者の視点で書いている。2016/07/28
鯨、或は山田
1
トリセツ、というほど客観的ではない。現代建築を公共と商業の二項対立で見るのはいいけどなんかそこが主軸でもなさそうな感じ。2017/09/03