内容説明
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地球上にはどのような形態、生態の動物が暮らしており、どれくらいの数の動物種が生息しているのかを明らかにしようとするのが動物分類学である。そして、進化によってつくられた種の系譜「系統」を取り入れ、生命の歴史を含めて研究を進めてきた。本書は分類、系統、進化の観点から、現在の地球上の多様な動物の姿を明らかにすることで、その姿が5億年の間にどのようにして生じてきたのかを解説する。前半では、動物系統分類学の考え方や研究方法をこれまでの歴史を交えて解説し、後半では、それによって、これまでにどのようなことがわかってきたのかを解説する。系統樹の作成や、地球上の動物の多様性の理解を深めたい方にお勧めしたい一冊。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ルーシー
4
生物系の本を読んだ際、分類の名称や系統樹が微妙に違ったりすることがあったが、この本を読んでその疑問が解決した。系統樹は「正解」がわからないため、様々な手法と確率計算を用いて推定している。そのため計算方法の違いなどから違う結果が出てしまうという。後半は各動物門(ここでは34の門)を模式図とともに解説している。知らない動物はもちろん、身近な動物の体制を知ることができてとても面白かった。2024/01/25
おりぜる@論文終わるまで読書可能時間激減
2
最新の遺伝子分析手法を用いて分類された「動物」の系統分類について解説。前半は、分類手法の解説。数理的な部分はちょっと難解。後半は、具体的な系統分類結果とその解説。従来との系統分類の違いを交えて説明している。また、個々の「門」について図と説明がある。この部分は辞書・図鑑として使えそう。脊椎動物の系統分類を期待していたが、これは載っていなかった。考えられる複数の系統パターンのうち、どれが正しいのかまだ分かっていないものもいくらかあって、まだまだこれから進歩してゆく分野なんだな、という印象。今後の展開が楽しみ。2016/09/25
クロスリバーゴリラ
1
前半は分類学についての概要。学名に関してや分類方法の説明。後半は動物のそれぞれのボディプランから門ごとの解説。門ごとに簡潔な説明が続き脊索動物についても他の門と同じくらいの分量。ある意味バランスがとれているといえる。2022/01/15
gachin
1
系統樹の理論背景や各分類群の説明など最良の概説書。
ケッヘル(次女)
1
系統分類手法の紹介と、後半は様々な動物門についてそのボディプランを図示しながら概説する。2010/11/03