ルナティック ガーデン

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ルナティック ガーデン

  • 著者名:太田忠司
  • 価格 ¥1,650(本体¥1,500)
  • 祥伝社(2016/06発売)
  • ポイント 15pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784396633622

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内容説明

英国の伝説的園芸家アデル・コープから、弟子・エチカは21世紀最高のミュージシャンにして世界で10本の指に入る大富豪、T・モリスの庭作りを頼まれる。彼が終の住処に選んだのは月面で、人類最初の“月の庭”を作ろうというのだ。その邸宅には、音楽家、小説家、投資家、大女優ら、曰くありげな老人たちも集っていた。すると、少女誘拐、幽霊騒ぎ、老小説家の身投げ未遂など不可解な事件が続き、さらに“キテハイケナイ”と告げる悪夢や世界環境機関の妨害、隕石騒動など、さまざまトラブルが起きる。一連の出来事の鍵を求め、“月の声”が聞こえるという“シェラの崖”を訪れたエチカが謎の球体を持ち帰ると、邸宅を幻影の嵐が襲い、エチカは老人たちとともに人生の真実を知ることとなった……。若き女性園芸家が事件と謎に挑む SFミステリーの傑作!

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

おかむー

53
以前から名前は見てたけれど作品を読んだのはこれが始めて。二十一世紀最高のミュージシャンと呼ばれたタッド・モリスの月の邸宅「オンルッカー・ハウス」に庭を作るために呼ばれた主人公エチカが、タッドとともに暮らす4人の老人の過去を知り、その傷と向き合う。そして月に隠された秘密とタッドが庭を作ろうとする理由とは。一見SFめいていて実際最後にはSF展開もあるのだけれど、むしろミステリ…いやほぼ日常系謎解きモノ。舞台や仕掛けには面白みがあるものの、全体に起伏にかけるのでサラリと流れてしまう感触。『可もなし不可もなし』2014/07/17

ちはや@灯れ松明の火

48
もう花が芽吹くことなどないと思っていた、あの人を失ってからは。近未来、プロムナードで地球と結ばれた月は荒涼たる隠遁所、抱えた痛みの重さに耐えきれずに故郷を去った老人たちの終の住処。朽ち果てる刻を待つだけだった日々を、鍵を掛けた心の扉をノックする音が変えていく。月を訪れた若き女性造園技師、土を耕すように埋もれた過去を掘り返し、光を当てるように見失った真実と向き合わせ、水を与えるように傷口を洗い流し、憩う場所を造るように癒していく。秘密の園に風を導いたメアリーのように。門を開いた庭を、虹の花が埋めていく。 2011/07/05

nyanco

48
月に向かう軌道エレベータの様子も、そして月面のオンルッカー・ハウス、心に傷を抱えた老人たち…設定がものすごく素敵で一気に引きこまれてしまいました。萩尾望都さんや竹宮恵子さんの描く70年代のコミックの世界のようですっかり魅了されてしまう。ちょっとおせっかいな渚が老人達の心の傷をほぐしていく過程も、とても良い。ただ、ラストの展開はう~~~ん、「月の声」の話でSFにしてしまう必要は無かったのでは…?それにやっぱりガーデンは完成させて欲しかった。恋愛フラグもこのままでは残念。続→2011/04/24

しょこら★

20
遠くない未来、人間は月に旅行―どころか暮らせるまでになっていた。 師の命により、月に庭を造ることになったエチカ。でも、依頼主からそこに住む人たちは、複雑な過去を抱えた偏屈ばかり。 簡単な謎解きと、老人たちの過去溶き。エチカの若さ故の単刀直入さとお節介さに冷や冷やさせられながらも、それのおかげで老人たちが心をひらいていくのが温かかった。でもせっかく月にお庭、なんて素敵な設定が、不思議な夢と物体と種により蔑ろになってガッカリ…。エチカと父や師との関係はさらりと撫でる程度で、どちらかを掘り下げてほしかった。2011/12/25

眠り猫@灯れ松明の火(文庫フリークさんに賛同)

17
SFだけどヒューマンドラマ 懐かしの新井素子さんの作品をちょっと思い出しました ちょっとおせっかいな主人公のキャラとか、どこか謎が残る楊さんのキャラも良かったんだけど、なんか終わりが中途半端というかすっきりしないというか 結構好きな感じの作品だっただけに、なんとも残念2011/05/13

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