内容説明
宇宙旅行を可能にする軌道エレベーターの地球駅がモルディブ共和国に完成した21世紀末。首都マーレの移民局員マイコが失踪した。手掛かりは、彼女が直前に接触した移民申請者カネダの記録。そこには「イルカはもういない」という謎のメモが残されていた。探偵の結城が捜索を依頼されるが、マイコの過去もまた秘密のベールの中だった。やがて背後に、宇宙開発に反対する過激派環境テロリストが浮上、結城は鍵を握る男を追って地球駅へ。黒色火薬騒ぎ、整備課職員の死体、そして高性能爆弾……事件は南洋から宇宙へと拡大する。本格ミステリーとSFを融合させた傑作サスペンス!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Yuna Ioki☆
34
1060-263-7 最新技術で、誰でも月へいける時代が舞台。どんな時代でも環境破壊もあるし、テロリズムもなくならないんでしょうね(¯―¯٥)2015/07/05
ミーホ
16
南の楽園《モルディブ》にある人工島から軌道エレベーターで月へ!!小学生が《シャカイカケンガク》で月に行けちゃう世界。月と地球をつなぐ地球駅《アース・ステーション》がモルディブにあり、開発運用してるのが日本企業って。。。未来の設定とはいえその発想がすごい!!それを狙うテロリストに行方不明の日本人妻《マイコ》の失踪が絡み、それを追う自称便利屋が暗躍するお話。SF好きにはたまらない設定だけど、ミステリー要素が薄く感じたのは地名・人名が苦手な横文字だらけのせい?最初の地球駅って現実にはどこにできるんだろ。ワクワク2015/04/10
ひまわり
7
設定が近未来のモルディブということで,想像力を膨らませながらの読書。「学校は知識だけじゃない。考えかたも教えてくれる。おまえが将来どんな仕事に就くにせよ,学校で教えられた考えかたは役に立つ。それを疎かにした奴は,間違いなく人生で損をする」この言葉が印象に残りました。2015/04/26
ぶうたん
3
SF設定の軽ハードボイルド。同じ舞台設定の前作があり、自分としては珍しく読んでいるのだが、内容はほとんど覚えていないし、本作も続編というわけではないので何の問題もない。ページ数も少なくて、さらっと読んで楽しむには最適。小道具とかも巧く使っていて、舞台設定も活かされている。佳作。2015/02/28
かっぱ
2
軌道エレベーターの建設されたモルジブを舞台にしたハードボイルド。行方不明になった日本人を探す便利屋(探偵)。ただの行方不明捜索だったはずの事件は、テロリスト陰謀と裏世界の思惑で複雑な様相を見せる。特に複線な訳ではないけど、個人的には、軌道エレベーターの駅のネーミングが楽しい。2016/09/11