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内容説明
二〇世紀アメリカを代表する「経済学の巨人」は何と闘い続けたのか? アメリカ思想の二極対立をえぐり,経済学研究の水準を社会思想史研究の水準に高めてきた著者が,病をおして筆を進めた渾身の作.ケインズによってイギリス論を,シュンペーターをかりてドイツ社会を論じてきた社会経済思想史研究三部作の完結編!
目次
目 次
はしがき
Ⅰ アメリカ 対立する二つの極
第一章 アメリカ社会と思想──イデオロギー化する「自由」とプラグマティズム哲学
第二章 アメリカの経済学──輸入経済学 対 制度学派
Ⅱ ガルブレイスの半生
第三章 生い立ち、そして経済学者への道へ
Ⅲ ガルブレイスの経済学
第四章 経済学への前奏曲 『アメリカの資本主義』──ガルブレイス流産業組織論
第五章 現代資本主義論の提起──歴史に残る名著『ゆたかな社会』
第六章 成熟した巨大企業体制の解剖──主著『新しい産業国家』
第七章 公共国家のすすめ『経済学と公共目的』──経済的弱者を守る知識人の闘い
補章 『大恐慌』──私たちは歴史に学ばなければならない
終章 「新しい産業国家」から「新しい金融国家」の中で──ガルブレイスの晩年
ガルブレイスの主要著作
主要参考文献
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
106
伊東さんの最後の著作になるのではないかと思われます。岩波新書でケインズ、シュンペーター、それとこのガルブレイスということで三部作の完成のようです。ガルブレイスはアメリカの経済学界では異端児なのでしょうが、やはり彼の言っていることは、もっともなことが多いと学生時代から感じていました。私は個人的にはアメリカのヴェブレンの系統をひく経済学者ではないかと思っています。このような人物がいるというのはアメリカも健全なのですね。2016/05/08
壱萬参仟縁
40
多作人、名文章家のガルブレイス(ⅳ頁)。かれのファクト・ファインディングは、現代資本主義の特質を析出しようとした点(ⅵ頁)。かれは、マーシャルに経済学を学び、ヴェブレンに魅かれ、ケインズに心酔し、離れ、最大の師は現実であった(ⅶ頁)。かれは一生農民の勤勉さが習い性となっていた。労働者への温かい心を忘れなかった(42頁)。大学でかれは作家の国語教師に添削してもらい、書く力をつけた(46頁)。かれはグレッサーから経済学理論を、オーギンから経済学史を学んだ(50頁)。2016/07/24
呼戯人
18
ソースティン・ヴェブレンやジョン・メイナード・ケインズの学統を継ぐ20世紀最大のアメリカの経済学者の業績をまとめて解説した本。もしガルブレイズの学問がアメリカ政府の受け入れるところとなり、その経済政策が実際に反映されることがあれば、アメリカはこれほど酷いネオ・リベラリズムの巣窟にはならなかっただろう。ミルトン・フリードマンという悪魔の如き新自由主義者に変わってガルブレイスがアメリカ経済のリーダーシップをとれば、21世紀はこれほど酷い帝国主義的葛藤に悩まされることはなかったのではないか。伊東光晴の傑作。2016/06/22
浅香山三郎
14
ガルブレイスの評伝であり、アメリカの経済学史でもある。それは、アメリカ的な社会のベースと、ヨーロッパ的な社会のベースとの差異の問題があり、ガルブレイスの場合、後者に親和的なところから、前者を基盤にするアメリカ資本主義を見てきたことになる。 このことが分かると、ガルブレイスの仕事の意味がよく分かる。2018/01/19
Francis
14
日本の優れた経済学者伊東光晴先生がアメリカの偉大な経済学者ガルブレイスについて書いた評伝。すでに「ケインズ」「シュンペーター」と言う経済学の二大巨人を書いているので、これで経済学者評伝三部作という事になるのか。ガルブレイスの経済思想を分かりやすく書いている。特に「ゆたかな社会」は分かりにくかったところがあったのだが、この本でよりわかりやすくなった。最初の方でアメリカでの「自由」とヨーロッパでの「自由」の意味が異なる事を論じた文も大変参考になる。2017/02/23
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