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内容説明
親鸞はいかなる人物か。その思想はどのような今日的意義をもっているのか。親鸞に親しむほどに既成教団を否定せざるをえず、浄土真宗の末寺に生まれながらあえて寺院を離れた著者が、一市民として全存在をかけて親鸞の求道に分け入る。自己の無力を知り弥陀の本願に依ることでどのような者も救われるという「絶対他力」の教えは、ケガレを忌み、占い、苦行や作善、祖先崇拝に救いを求めた中世人に、いかばかりの衝撃をもたらしたか。中世の「聖なる世界」の構造をトータルに把握し、そのなかで親鸞が切り開いた「絶対他力」という「普遍への回路」を明らかにする、渾身の著。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
聲
1
阿満利麿さんのデビュー作みたい。デビュー作らしく、野心的な書き振りがいいです。思ったよりもお勉強的で、思想の深い部分というよりは、親鸞の人物、そこから何を考えていたかを、著者が推理し、学術的に新たに提示したような感じ。2022/09/14
れぐ
0
良著.序論の柳田批判だけでも読む価値はある2014/08/05
moriteppei
0
A
yusasa
0
すごいなー2010/01/05
Sin'iti Yamaguti
0
日本思想史の中で法然・親鸞が切り開いた浄土教が「普遍」的性格を持つことを、日本中世の社会的思想的風土と関連させて論じた書。一方に世界宗教たる仏教があり、他方に日本の土着性があり、その二極による楕円の中に浄土真宗を位置づける、という視点はすぐれている。2018/11/14