ちくま学芸文庫<br> 歎異抄

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ちくま学芸文庫
歎異抄

  • ISBN:9784480092205

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内容説明

没後七五〇年を経てなお私たちの心を捉える、親鸞の言葉。わかりやすい注と現代語訳、今どう読んだらよいか道標を示す懇切な解説付きの決定版。本書では、著者長年の探究の成果による清新な解釈に基づいて、親鸞の「信」を掘り下げ、宗教から遠い世間を生きる私たちの心にひびく、新しい読みかたを提示する。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ともとも

23
矛盾、誤認を感じるほど、難しい真理、境地のようにも感じつつも 解り易いようでもあり、解りにくくもある。 それだけに親鸞や唯円の苦労を感じながらも、専修念仏の本当の意味や目的とは、救いとは、いろいろと考えさせられてしまいました。 それでいて、どこか心に響く、厳しくも優しい教え、書なのかもしれないとしみじみ感じさせられてしまいました。2016/10/09

sayzk

12
京都国立博物館で「親鸞展」が始まっている。ちょっと行ってみようかなと思うので本書再読。とにかく阿弥陀仏に極楽往生を頼むこと。自力では成仏なんか出きるわけない、他力本願であるべし。阿弥陀仏が救いに来ると言う内容。六道輪廻から抜けて浄土に往生する事と道徳的な善悪評価との違いはかなり冷静に考えないとやっぱり誤解するね。2023/04/01

壱萬弐仟縁

12
歎異とは、異なっているのを歎く(裏表紙)。法然→親鸞→唯円(005頁)。原文→注→現代語訳→解説という構成。親鸞の主張は、念仏への疑念は地獄が一定すみかぞかしという自己認識の不足によるということ(045頁)。阿弥陀仏の根本の願いは、悪人を成仏させる点(056頁)。慈悲は執着心を打破できる智慧に裏付けられた行為(072頁)。人間は努力しても何事も心に任せることはできない(172頁)。他力の必然か。2013/08/22

sayzk

6
南無阿弥陀仏で極楽浄土、苦行も学も要らぬ、それで広まったと聞いていた浄土真宗、と、聞いていた。しかしそれでなかなか哲学的だった。とにかく、 ・自力で修行して悟る、なんてできっこない。 ・念仏は阿弥陀が我々を救う行為。自分で極楽浄土にいこうとするな。 ・悪人正機説で言う「悪人」は「凡夫」と読み替えるとわかりやすい。 ここら辺りが繰り返し語られる。2020/06/02

恒々

3
こころの時代で観て手に取る。法然、親鸞、唯円と続く浄土派の論にはじめて触れる。ナムアミダブツという語句は小学生でも聞いたことがあるが、意味はこの年になるまで分からずであった。万能たる阿弥陀様の力を信じきる、という根幹は分かりそうなものの、平凡たる人間が努力をすべきなのか、そんなものは無駄とすべきなのか、その辺のスタンスが今一つハッキリしないように感じ、まだまだ理解に至っていないのかもしれない。ただ、闇雲にではなく、親鸞や法然の理念を知り、念仏に臨むことはとても価値があると思え、貴重な学びの機会を貰った。2022/08/16

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