内容説明
戦いを避けるなら、ハサミを打て!
力自慢の碁敵の、強烈な攻めに悩まされている方は、多いのではないでしょうか。本書は穏やかな棋風でタイトルを奪取した羽根本因坊が「戦いを避けて勝つ方法」を伝授します。「戦いを避けて勝つ」とは、「序盤でリードしてそのまま逃げ切る」ということ。本書は「ハサミはむしろ戦いを避ける打ち方」「模様を早めに消すのが乱戦を避けるコツ」など、穏やかな展開にもっていく布石の考え方とテクニックを徹底的に解説しています。
碁敵が中国流、三連星などを布いて戦いに引きずり込もうとしてきても、乱戦を避けて穏やかに勝つ方法は確かにあるのです。戦いが苦手で頭を悩ませていた方、ヨセ勝負が好きな方にとっては、まさに目からウロコの一冊です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
夜間飛行
49
私のようなヘボ碁打ちは、戦うまいと思っても戦いに引きずり込まれてしまう事が多い。その悩みに答えてくれる本だった。第一行目に《今日は絶対戦わないと心に決めて臨んではいけない》とある。つまり碁というゲームは、どんなに戦いを避けたくても戦うしかない時もあるという事だ。《自分か相手が力を貯めればいつか戦いになる》…なるほど力を貯めたのに発揮しなければ不利になる道理。だから戦いになる。逆にいえば、力を貯めない/貯めさせない打ち方こそ、戦いを避ける秘訣なのだな。《両翼を許すな》《割り打ち・両係りせよ》…覚えておこう。2017/01/26
らっこ
2
厳しい戦いを避ける方法が書かれていますが、思いがけずいい本に出合えました。私自身は戦い志向の打ち方なので、なおさら目から鱗だったかも。ハサミや両がかりは戦い向けで、模様の張り合いは戦いを避ける流れになるかと思っていましたが、全体の流れからすると実際は逆なんですね~。戦わないなら戦わないなりにかなり頭を悩ませるわけで、楽な道のりではありません。2016/06/05
添川
1
素晴らしい本。自分の棋風に合ってる!大場感覚の部分は本当に参考になった。自分の場合、ネット碁で上手と打つ時や互先で白を持った時は戦わずに穏やかに終局を迎えた方が勝ちやすい。戦う棋風の人は一切読まなくていいけど、戦っても勝てない、相手の力碁にいつも苦しむという人は本書をオススメします。2014/01/13
ピンクのまぬけ
1
孫子のような題名の囲碁の本。序盤でリードを作り、その差を保てば戦わなくて良いという思想で書かれている布石の本である。そのため目先の戦いを避けるのではなく、後で入らなくてもいいように挟んだり消したりを考える。決戦を避けるために工作や牽制や細かい衝突が必要なのは世の道理なのである?2013/02/06