祥伝社文庫<br> 潮鳴り

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祥伝社文庫
潮鳴り

  • 著者名:葉室麟
  • 価格 ¥770(本体¥700)
  • 祥伝社(2016/06発売)
  • GWに本を読もう!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~5/6)
  • ポイント 210pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784396342098

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内容説明

生きることが、それがしの覚悟でござる――。俊英と謳われた豊後・羽根藩(うねはん)の伊吹櫂蔵(いぶきかいぞう)は、狷介さゆえに役目をしくじりお役御免、今や〈襤褸蔵〉(ぼろぞう)と呼ばれる無頼暮らし。ある日、家督を譲った弟が切腹。遺書から借銀を巡る藩の裏切りが原因と知る。前日、何事かを伝えにきた弟を無下に追い返していた櫂蔵は、死の際まで己を苛む。直後、なぜか藩から弟と同じ新田開発奉行並として出仕を促された櫂蔵は、弟の無念を晴らすべく城に上がる決意を固める……。落ちた花を再び咲かすことはできるのか? 『蜩ノ記』(ひぐらしのき)の感動から二年。〈再起〉を描く、羽根藩シリーズ第2弾!

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

KAZOO

144
葉室さんの「蜩の記」に続く豊後羽根藩シリーズ(全5作)の2作目です。藤沢周平さんの海坂藩シリーズを意識してのものなのでしょう。訳あって家を出て一人で酒を飲みながら生活している主人公が、家を継いだ弟が切腹します。家に戻され城に出資した主人公がその原因を探っていく話です。主人公に絡む人物たちなどがよく描かれています。最後はすっきり終わります。2024/09/21

サンダーバード@永遠の若者協会・怪鳥

144
かつては俊英と謳われたものの、些細な失態でお役御免となった伊吹櫂蔵。落ちぶれて今では「襤褸蔵」とまで揶揄されるまでなった男。そんな櫂蔵が藩に裏切られ切腹となった義弟の無念を晴らすべく立ち上がる。落ちた花は二度とは咲かぬもの、再び花を咲かすことができるのか。「蜩の記」に続く羽根藩シリーズ。このシリーズを通して言えるテーマは「武士の矜持」であろう。命を絶つよりも耐えて忍んで生きながらえることの方がはるかにつらいものである。★★★★2017/12/31

とし

115
・・・「ひとはおのれの思いにのみ生きるのではなく、ひとの思いをもいきるのだ」 「落ちた花はおのれをいとおしんでくれたひとの胸の中にさくのだと・・・」・・・最後は感動的でしたね。2017/12/31

ツン

109
蜩ノ記から読んで感動して、乾山晩秋というデビュー作を含む短編集を読んだ時は、淡々とした抑制の効いた文章で驚きました。その短編集でも、後半に向かって、少しポップな感じ?になって行くのですが、作風にそういう濃淡があるような気がします。そういう意味では、本作はかなりポップよりな、時代小説ではあっても2010年代に書かれただけあるなという感じ。えっ、そんなことになってしまうの?と悲しくて泣けましたし、いい話だったけど、最後にまさかそんな水戸黄門の印籠みたいなまとめになるとは思いませんでした。2022/06/07

じいじ

100
読み始めて間もなく「これは面白そうだぞ」と手応えを感じた。物語の舞台は、著者の直木賞受賞作『蜩ノ記』と同じ九州・豊後の羽根藩。主人公・伊吹櫂蔵は、かつては抜きんでた技に長けた剣豪だったが、失脚して藩を追われた。その櫂蔵が義弟の背負った汚名を払拭するために、再び国許へ…。気骨ある物語の中で、櫂蔵とお芳との恋は、読み手の気持を癒してくれる一服の清涼剤です。二人の不器用な愛欲場面に、純粋な愛を見ました。朝井まかての解説は、なかなか味わい深いです。2022/09/30

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