ハヤカワ・ミステリ文庫<br> 暗闇へのワルツ

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ハヤカワ・ミステリ文庫
暗闇へのワルツ

  • ISBN:9784150705527

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内容説明

ルイスは天にも昇る心地でいた。通信交際会に紹介されたジュリアという女性との手紙のやりとりが実り、彼は結婚することになったのだ。そして今日が、花嫁を乗せた船が着く日だった。だが、目指すジュリアの姿がない。狂ったように人ごみを探すルイスを待っていたのは、見も知らぬ、しかし、楚々たる美女だった! 限りなき転落へのワルツを予告するかのように……ムードとサスペンスの巨匠が悪女の美しさを描いた野心作。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Kircheis

275
★★★★☆ 悪女につかまり暗黒に落ちていく男の話。 とにかくおバカなルイス・デュランドにイライラしながら読んだ。しかし、二転三転して読者を飽きさせないストーリー展開はさすがアイリッシュである。 特にラストシーンの美しさは素晴らしい。2022/07/01

セウテス

68
〔再読〕アイリッシュ氏の独特な心理描写、本当に細かな人物設定、此方を楽しみたい読者には、素晴らしい悲恋物語です。しかし「幻の女」の様にミステリを楽しみたい読者には、作品が違うと言わねばなりません。ルイスは37歳、文通した女性ジュリアと結婚を決める。船で到着する彼女を迎えに行くと、そこには写真のジュリアは居なく、若く美しいジュリアと名告る女性がいた。このジュリアの謎が物語かと読み始めるのだが、真相はあまりにも早くに解る。騙す女と愛する事を諦められない男の、揺れ動く心を見事な迄に描いて、ラストの切なさを誘う。2018/03/12

藤月はな(灯れ松明の火)

19
「カルメン」、「マノン・レスコー」、「ばらばら死体の夜」の白井砂漠を彷彿とさせる美貌だが懶惰で最もお金に興味がある気まぐれでどこまでも「女」な悪女への愛に溺れて全てを失い、殺人を犯し、逃亡生活を余儀なくされた主人公。しかし、一見、主人公だけが憐れに見える話でも悪女が優しい気質でありながらも荒んでいく弱さも持った主人公に陥落しないようにしていたという描写があることで一気に切なさを増して変貌する。この描写こそがラストの哀切さをより、一層、募らせています。2013/04/25

♪mi★ki♪

18
再読。文通相手と婚約したルイスは、彼女を迎えに行くと、そこには写真で見知っていた冴えない中年女性とは全く違う若く天使のような金髪美女がいた。悪女通り越して毒婦の域。主人公は愚かだと思いつつも、美しくしたたかで噓つきな女に翻弄され破滅してゆく様が説得力がある。アイリッシュ凄いなあ、上手いなあと関心させられる。ルイスは37歳で自分は若くないと自信無いんだが十分若いし。善人で収入もあるし特別容姿が悪いわけでもない。読んでて彼の幸せを願っちゃう私は超凡人だと自覚されられちゃった。わしが貰って頂きたい位だわ。w2016/05/08

hikarunoir

16
映画はどちらも過去見た。何のしがらみもなければ、とことん恋に狂い罪に手を染め、美しき悪女に破滅させられ終わるのが男の理想的終焉かもしれない。2024/03/27

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