内容説明
軍用有人兵器・機甲兵装の密輸事案を捜査する警視庁特捜部は、北アイルランドのテロ組織IRFによる英国高官暗殺計画を掴んだ。だが不可解な捜査中止命令が。首相官邸、警察庁、外務省、そして中国黒社会の暗闘の果てに、特捜部の契約する〈傭兵〉ライザ・ラードナー警部の凄絶な過去が浮かび上がる! 日本SF大賞に輝いたシリーズ第2作が、大幅加筆と特別付録に短篇自作解題を加えた完全版として登場。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しんたろー
162
間違って3⇒1⇒2の順で読んでしまったが、ハマっているファンが多いのが、やっと理解できた2作目…事件進行中の東京とライザの過去が交錯する物語は暗くて哀しいのだが、抜群のエンタメ&サスペンスとして展開する。警察小説としての核が巧みな上に、群像劇としての人間模様が面白さを膨らませていた。終盤100ページは目に浮かぶ怒涛のアクションが炸裂していて楽しいし、警官たちの奮闘に目頭が熱くなるシーンもあった。「映像化は不可能な完全無欠の娯楽小説」と言える!それにしても、ライザと緑が微笑み合う日は来ないと思うと切ない。2018/10/24
KAZOO
141
前回シリーズ第1作を読み比較的私のフィーリングにあったので、第2作目を読んでみました。SFなのでしょうが近未来ということで現在からはそんなに離れていない感じです。この作品は、グローバルな感じで世界各地とこの中のサブ主人公の物語が入り組んでかなり複雑な様相を呈しています。読んでいて、私はある意味高村薫さんの「リヴィエラを撃て」を思い出しました。楽しみました。2016/08/31
utinopoti27
136
機龍警察シリーズは、何と言っても緻密かつ奥行きの深い世界観が特徴的なのですが、前作を更に凌ぐ出来映えの本作は、機龍兵唯一の女性パイロットであるライザが主役。アイルランドのテロ組織IRFのテロリストだった彼女の過去を丹念に掘り起こすことで、自らを窮地に追い込む闘いになぜ身を置くのか、凄絶極まる理由が明かされます。IRFの闘士たちとの超リアルなバトルシーンもさることながら、『詩人』キリアン・クインとのひりつく頭脳戦が今回の白眉。綿密に計算されたプロットが生み出す闘いのカタルシスにひたすら酔いしれるポチでした。2018/07/23
buchipanda3
132
シリーズ2作目長編。前作よりもインテリジェンス・アクション度がグンとアップして、これまた一気に読ませる。3名の傭兵の背景からその色合いが濃くなるのは予想していたが、北アイルランドの亡霊を蘇らせるとは。完全に作者さんの趣味全開で、苛烈で不条理で無慈悲な力で心臓を締め付けるような各所の紛争歴史の世界観を自分の手で描きたかったという思いが伝わってきた。そういう気概は好み。それでいてしっかり警察ものとしての矜持も見せつけてきて特有のこだわりも感じた。ライザの従者は変わったのか。そして龍機兵の謎も気になる。次巻へ。2021/08/01
starbro
123
月村了衛は、新作中心に読んでいる作家です。機龍警察シリーズは3作目。月村了衛は昨年逝ってしまった船戸与一の後継者になれる気がしますが、今回のIRA・IRFの記述は何か薄っぺらくてガッカリでした。参考文献に頼って机上で組み立てている感じです。初出の時に修正出来なかった内容を書き直して完全版にしたい著者の気持ちは、解らないでもないですが、これを単行本でやっても一部のマニアにしか評価されないと思いますし、本も売れないのではないでしょうか?それよりも新作に労力を費やして欲しいと考えています。6月は本作で読了です。2016/06/30
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