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内容説明
日本はなぜ戦争に突き進んだのか。私たちは、何を失い、何を手にしたのか。戦時体制へと向かう戦前から、国家総動員体制となった戦中、敗戦を経て飢えと貧困にあえいだ戦後前半、そして高度成長期の戦後後半へと至る激動の六四年間。それはいわば日本が国家として自立を目指し、挫折し、再起する過程であり、そのなかで培われた土壌は現代もなお息づいている。未完の過去を、第一人者が一望にする昭和史の決定版。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
120
最近ちくま新書でこの本を含めて昭和史に関する本がいくつか出されています。この昭和史は古川先生が一人で書かれているので非常に通史として読みやすい感じがしました。これから読む「昭和史講義」は様々な人が書かれているものを集めているようです。日本史の本でも戦線と戦後は分かれて書かれているのですが、この本は昭和元年からのことから始まり天皇の逝去までを書いているので一貫性がかなりある感じです。2016/09/16
nnpusnsn1945
51
昭和の通史として戦前、戦後共によくまとまっている。統治機構や民衆の生活模様も面白い。著者は明治時代の政治や軍事システムに、民の声が反映されにくかった点が弱点であったと総括している。学術会議問題で一時話題になった著者の姿勢が伺える。ただ、あまり説教臭くはなく、発見も多い。アメリカ文化が戦前流行していた(私が好きな山内一生憲兵伍長の本にも、西部劇映画を見たことがあると書かれている。)ため、戦後の占領下も国民は違和感が少なかったとしている。単なる事大主義とは言えないようだ。2022/06/18
とくけんちょ
41
あまりにも長い昭和という時代。それをうまく新書一冊にまとめ上げている。自分が興味を持った点で学ぶことも好きだが、このように通史で学ぶことで点がつながって線になる快感も捨てがたい。単なる事実だけを列挙した歴史本でなく、著者の考えなども差し込まれており、歴史の講義を受けている感覚で読み終えることができた。2022/11/08
terve
35
昭和の64年間を凝縮した本です。概観しただけでも、いかに激動の時代だったかがわかりますね。昭和の前半は戦争等もあり、かなりのボリュームですが、実は戦後の方が長いんですよね。高度経済成長などは記憶に残っている人が多いからでしょうか。昭和の末期が歴史学になるのはいつでしょうかね。歴史になるかならないかの境目はどこにあるのか…因みに本文とは全く関係ありません。2020/02/16
西
24
昭和の64年がうまくまとめられていてわかりやすい。勿論、この一冊だけでは表面的にしか理解できていないと思うけど、時代の流れとかがみえて、今後更に他の本で学んでいきたいと思えた。急に戦争が始まったわけでもなく、そこに至る流れがあったこと、そして戦後から今までずっと時代は続いてきていること。間違った方に進まないためには、今だけから判断するのではなく、過去から多くを学んで判断しなければならない2019/08/15