内容説明
トム・リプリーは天才画家の贋物事業に手を染めていたが、その秘密が発覚しかける。トムは画家に変装して事態を乗り越えようとするが……名作『太陽がいっぱい』に続くリプリー・シリーズ第二弾。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
星落秋風五丈原
39
リプリーと合わせ鏡のように登場するのが、実際にダ―ワットの贋作を描いているバーナード・タフツだ。バーナードは生前のダ―ワットと交流があり、彼を尊敬している。贋作を知られて別れた恋人への未練もあり、今回の贋作騒動が起こった事で全てを明るみにしようと考える。ディッキーの従兄が訪ねてきたり、行き当たりばったりの行動がピンチを生んだり、「あちこちに出没する危機をリプリーがどうやって乗り越えるか」がサスペンスとしての読みどころだが、リプリーとバーナードという、異なる考えのぶつかり合いもテーマである。2016/06/05
eirianda
22
バーナードとリプリーの対をなした心理描写に、ハイスミスの内部を見たような気がします。あとがきに引用してあった、ハイスミスのインタビューの言葉「正義を求める大衆は退屈で欺瞞的だと思う」に読後もずっと痺れている。ハイスミス姐さん、弟子にしてください!さあさあ、次はキャロルを読みまっせ〜!2018/06/05
秋良
15
贋作に絡んでまたも殺人を犯すリプリー。相変わらずギリギリの綱渡りのようなことをやっている。私は勧善懲悪ものが好きなわけでもないけど、ピカレスクものは爽快感のある作品が好きなのでリプリー自身はどうも好きになれない。それでも刑事との駆け引きや突然行き当たりばったりになりだす彼の破滅的な行動が気になって読んでしまう。2020/05/13
ふるい
13
『太陽がいっぱい』から6年後、富豪の娘と結婚し安定した生活を送るリプリーがまたもや犯罪に手を染める羽目に…というシリーズ2作目。面白かった。罪を重ねすぎているので、だんだんリプリーお得意でっち上げ話の辻褄が合わなくなっていきそうでヒヤヒヤしますが、リプリーの今後の活躍に期待。ディッキーのいとこも不安要素だなぁ。次は『アメリカの友人』。2020/10/18
bapaksejahtera
11
詐欺師で露見するやたやすく殺人を重ねるリプリーのシリーズ2作目。前作は「太陽がいっぱい」、映画の成功で表題を変えた作品(未読)。前作から数年後、金持ちの娘と結婚しパリ郊外で優雅に暮らす主人公は、英国の友人らに知恵を貸し、自殺したとされる若い天才画家の贋作事業を立ち上げさせる。贋作販売のみならず、作家名を商標にした画材販売や、画学校経営迄手を伸ばす。作品を購入した米国人が贋作を疑い乗込んで来るスタート。死んだ真正の画家に変装して警察を騙し、殺人に手を染める主人公。そんな甘い事が、と噴飯物に思う事屡々の作だ。2024/02/19
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