内容説明
近代以前の日本美術は、ことばによる文芸と造形イメージとが一体となった、世界的にもまれな芸術空間をかたちづくってきた。日本美術が文学とイメージとが常に相関しながら発展を遂げてきたことを、平安、鎌倉、室町、桃山から江戸後期にいたる、それぞれの時代での特色ある造形作品を例に掲げつつ例証。そこでは文字そのものによる表現や和歌文芸の内容があからさまに示されたり、留守文様のように隠されたり、あるいは葦手絵のように絵の中に侵入するなど、視覚的にも変化ある美の表現が追求されてきた。この近代以前の芸術空間を、単なる概説的な記述ではなく、作品の美質を描きつつ解説。とくに表現の極みともいえる室町の硯箱や、宗達・光悦コンビによる和歌巻などの代表的な優品については、詳細にその特性と素晴らしさを描き出す。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
loanmeadime
17
読書メーターで著者の名を見て検索したところ、数年前に放送されたNHKのラジオ番組を録音したYoutubeがヒットしました。その番組のベースになっていたのが本書で、初めに最後の女性天皇・明正院の70歳のお祝いに贈られた屏風について、その画と色紙型の和歌について解説されます。続いて、その和歌の歌題がその500年前の藤原任子の入内屏風を踏襲していること、更には彰子入内にまで遡る関係を考察します。そこからスタートして、日本美術の中の画と文字の関係を最後は蔦屋重三郎の出版業まで辿ります。2026/05/19
六点
9
「蕨手」と言う、日本絵画特有の「あそび」がある。絵の中に文字を潜ませ、享受者の教養を問う高度な文化であった。時代とともに変化し、江戸末期には浮世絵までに用いられ続けたものである。刀装具に「留守文様」と言う技法がある。絵画のそれと同じように、直接そのものを描かずに和歌の歌意を表す、金と教養を使った武士のお遊びである。日本人は上下を問わず、そういうお遊びを好み続けたのだなあ、と、感心してしまう。こういうお遊びを楽しむためにも、古典を学ぶことは必要なのだと思う。遊びのない人生はつまらんじゃないですか。2019/10/01
takao
2
ふむ2024/11/02
はちめ
1
絵画の中に忍ばせられたことばに着目するという発想がなかったので極めて新鮮だった。ただ、小袖に大きく漢字を散らした作品など決して成功しているとは言えないのではないだろうか?2016/09/04
たぬき
0
さっぱり分かりません2016/07/07
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