旅立ちの季節

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旅立ちの季節

  • 著者名:デビット・ゾペティ【著】
  • 価格 ¥1,463(本体¥1,330)
  • 講談社(2016/05発売)
  • ポイント 13pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784062200462

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内容説明

自分らしく生き、死ぬというのは、どういうこと? 64歳、元海上保安庁の「海の男」、やもめ暮らし。主人公・楠木が考えた、終活=人生の自分らしい終え方の準備とは。北海道・小樽とフィンランドのオーロラ観測施設の雄大な風景を舞台に、元芥川賞候補のスイス人作家が描く感動作。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ミーコ

50
「感動作」に惹かれて読んでみたけど・・・ 何かが足りない感じ・・・でしょうか❔ 終活 色々考えてしまうけど 楠木さん、それは違うやろ?とー。でも思いとどまって良かったです。 オーロラ 実際に観てみたくなりました。2016/07/07

あじ

44
日本に在住して長いスイス人作家が、日本語で上梓した小説。仕事を勤め上げた64歳の主人公が、終活を通し生と死の心構えを培っていく話だが…。主な登場人物は三人、似たような話言葉を使うので関係が見えにくかった。葬儀や墓の在り方を論考する場面では、取扱い説明書を読んでいる気分に陥る。どこを取っても粗削りで、ジャリジャリ感が気に障る。興味のない題材ではないし、著者の美学を否定する気もないのだが、ラストの一ページに集約した言葉を作品全体に散りばめた方が、読者の心を掴めたと思う。★2/52016/11/03

ワッピー

8
初読の作家さんです。フィンランドのオーロラ観測村というキーワードで引っかかりました。早くに両親を亡くし、伯父である海上保安官楠木健太に育てられた理沙とフィンランド人の婚約者ペッカ、そして引退した楠木を軸に、産業にすらなった人生の終末期サービスを描きます。引退して、次には終活に取り組む楠木の生真面目さは、見学に行くさまざまな終活サービスに飽き足りず、自ら考えた沖縄料理屋、ヨットでの世界一周という選択肢を持ちながら「別れ際の美学」に収斂していく。端正な文章で描く静謐な人生の最終コーナーに堪能しました。2016/10/10

mametoume

5
作者を知ったのは、多和田葉子「エクソフォニー」で日本語で小説を書く外国人はリービ英雄と作者しか知らない、という記述があったから。もっとも作者は在日30年の「外国人」というにはあまりに日本人だ。作品は日本人の終活だが、作者も自身が50の時に将来が不安になって書いたらしい。あまりに日本人らしい就活をする主人公なので感情移入できないが、海外に翻訳されたら日本人論を知る一冊になるはず。2021/11/05

NuFa

3
40年以上も海保での任務を務め上げた楠木、姪の理沙、彼女の夫となるペッカ。3人による楠木の終活準備を中心に物語は進みます。仕事人間だった男の老後はこんなに枯れるのか!?と感じること多し。気になったのは人物の書き分け。全員標準的な口調で特徴薄く、台詞を追っていても「これ誰が言ったんだっけ?」と迷うことちらほら。著者が最も書きたかったことはラスト10ページに濃縮されてるが、逆にそこまでが冗長な割に、それぞれの心理描写や関係性など細部が弱く、人物像の軸が定まってない印象。うーん共感度はあまり高くなかったかも。2016/07/20

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