内容説明
近現代において大きな足跡を残した10人の女性たち。その生涯と業績について、著者が名門女子大で講義した上で、学生たちと徹底討論!
取り上げられたのは以下の女性たち。
ミャンマーの民主活動家アウンサンスーチー
「ザ・ボディショップ」を起業したアニータ・ロディック
インドで救済活動に身をささげたマザー・テレサ
アメリカの女性解放運動リーダー、ベティ・フリーダン
イギリスの元首相マーガレット・サッチャー
近代的な看護の概念を生み出したフローレンス・ナイチンゲール
物理学者・化学者マリー・キュリー
国連難民高等弁務官、緒方貞子
環境保護活動家ワンガリ・マータイ
元GHQ職員ベアテ・シロタ・ゴードン
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あすなろ
83
読友さんの感想より積んでいた一冊。面白い。学生とか女性とか関係なく一読の価値あり。個人的には、アニータ・ロディック←ボディショップ創業者、ナイチンゲール←現代看護の立役者、ベアテ・シロタ・ゴードン←元GHQ職員を軸に興味深い講義の数々。しかし、これら取り上げられてる人物はあくまでケーススタディー。様々に考える力を養うテーマ。その題材を提供していると考えればその講義を行う池上氏の補足知識がまた興味深い。そして全講義終了後の池上氏の学生への指導講義も一読の価値ありでした。2019/03/31
s-kozy
77
読友のあすなろさんの感想から本書を知り手に取る。非常に面白かった。お茶の水女子大での特別講義をまとめた物。男女、年齢問わず読む価値のある一冊だろう。ここに出てくる10人の女性の功績、人物像、池上さんの詳しい解説なども情報豊富だが、終章の学生レポート講評会が興味深い。こういう過程を経て思考が深まることがよく分かる。講義中にも何度か言及されるが、将来は「世界を変えた10人」を選出した時にその半分が女性だった、そんな世の中になることを願う。そのための一助になる一冊。まずは今夏に大学進学を控える娘に推薦します。2019/04/17
佐島楓
55
キュリー夫人、ナイチンゲールなどの伝記で読むような偉人や、現代に生きる女性まで、まさに「世界を変えた」女性を紹介した本。読んでいて発見が多く、意義深い読書だった。お茶大での講義録ということで、学生さんのレポートも掲載され、視点や講義の解釈について勉強になった。2016/07/24
肉尊
50
池上彰がお茶の水女子大で行った特別講義の内容は、10人の女性たちが世界を変えた理由を当時の時代背景、社会構造、人間関係などをもとに、その共通点を学生たちに考えさせることだった。講義部分だけでも収穫は十分あるのだが、学生たちの課題発表が非常に面白い。10人の女性の共通資質について、理論と根拠に基づいた揺るぎない信念、逃げ道を作らないことなど様々な意見が出されたが、その反論が抽象的すぎると池上氏は一喝。「例えばサッチャーは居並ぶ男どもを尻目に出世した」のように具体例をもとに反論しなければならないと指導している2022/12/03
コウメ
40
印象的に残ったのは、「マザーテレサ、ヘディ・フリーダン、ベアテ・シロタ・ゴードン」の3人が興味が沸いた。マザーテレサは、有名なので特にないが、ヘディ・フリーダンはファシズム運動の先駆けした人で「主婦であり母親であるという立場になってしまったことにより夫があってこその自分、子供があっての自分という」非常に弱い立場に追いやられ夫の出世や子供の成長が生き甲斐になっている/「ワンガリ・マータイ」平和と環境との間に何の関係があるか、多くの戦争は資源をめぐって起こるもので地球の資源は乏しくなる一方。2021/11/06