内容説明
「私の家には、武具がたくさんあり、遠い先祖が武田信玄に従って遠征したという話が残っていた。そんな環境の中に育った私だから、信玄に対してはことのほか親近感を持ち、信玄の人柄や業績に牽(ひ)かれていた。……」(本文より)武田信玄について語る「ペンの章」を始め、小説に書かなかったとっておきの話が満載!(『続白い花が好きだ』改題)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
さっと
7
新田次郎のエッセイ集。旧題は『続 白い花が好きだ』。奥様との北海道旅行の話が印象的で、好きな作家が地元のことを書いているのは読んでいて楽しい。外出先ではいつも仲違いする夫婦が奇跡的に喧嘩せずうまく旅程を消化するものの、野生の丹頂鶴を見る見ないで結局最後は別々に帰ることになる。札幌から洞爺湖にまわった次郎はのちに短編「昭和新山」を書き上げたとしているが、もともとオホーツク海を見る目的であったので女満別起点になっており、その周辺が舞台になっている「天国案内人」もこのときの旅行の産物と思われる。2024/06/29
つちのこ
2
光文社文庫版。1988.1.22読了1988/01/22