内容説明
ウチナーンチュ(沖縄人)の彩華は、自称小説家の父と二人暮らし。ある日、隣の部屋に夏海が父親と引っ越してきた。東京では学校に行けず、母との関係に苦しんでいたという。青い空の下、二人は心を通わせていく。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ネムコ
26
以前、沖縄に惹かれていろいろ本を読んでいた時期がありました。沖縄では「味噌汁」というとごはんも付いて来るとか、「ちゃんぽん」は長崎ちゃんぽんとは別物だとか、ユタとかノロとか。結局、国際通りにも大きなゴキさんが闊歩しているというのを読んで、実際に行くのは断念したのですが、久しぶりにあの沖縄熱を思い出すお話でした。高校に行っていない女の子が二人。根っからの沖縄の“ウチナーンチュ”の彩華と、東京で人間関係に疲れて、父親と沖縄にやってきた夏海。そして二人にしか聞こえない声で話すカエルの置物・青蛙神のポチ。2016/06/27
アロハ
8
積本より。なんか夏休み感のあるものを読みたかったので、少女たちが主人公のこの本にしました。家族の問題で東京から沖縄に引っ越してきた女の子とその父。そしてアパートの隣になったうちなーんちゅの女の子とその父。ふたつの家族と女の子たちの話ですが、とにかく沖縄初心者むけの話でした。うちなーんちゅからすると、いちいち入る説明が面倒くさいのですが…仕方ないですね。沖縄好きな初心者におすすめしたいです。2017/08/22
yamakujira
3
沖縄で生まれ育った彩華は、貧乏な父子家庭だから高校に行かずに家事をしている。アパートの隣室に父親とふたりで東京から引っ越してきた夏海は、友人関係が苦手で高校に進学しなかった。沖縄と聞くと大らかでのんびりした暮らしをイメージするけれど、内地から毎年2万6千人ほどが越してきて2万4千人ほどが戻っていくという現実に、厳しい現実が垣間見える。似た境遇の彩華と夏海は意気投合して、お互いに体感する異文化交流がおもしろい。青蛙神の置物の声が聞こえるファンタジーな雰囲気がかわいらしい物語だった。 (★★★☆☆)2018/07/23
藍
3
沖縄の、他県から見たら独特だけど、いたって普通の日常を垣間見せてもらった気分。実際に沖縄に行ってみたくなった。そして海辺でオリオンビールと泡盛で宴会したーい!! 後は、夏海とその母の関係が強烈で。こんな修復の必要性を感じない親子の姿が書かれているの見るのひさしぶり。血の繋がりがあろうが関係無い、離れて正解。2016/11/16
MIYA
1
沖縄の「ちゅらさん」時代はもう終わったのだなと、本書を読んでしみじみ感じました。癒しの島でも神秘の島でもなく、現代ありのままの沖縄を舞台に繰り広げられる少し不思議な青春物語。二人の友情が夏の海のようにまぶしい。本屋で偶然手にしたけど、読めてよかった小説の一つ。沖縄が結んだ二人の縁(えにし)。大人になっても、それぞれの道を歩んでも、この友情は色あせない宝物。2017/07/25
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