内容説明
道徳すら武器。恐ろしく実戦的。
中国古典の最終兵器『鬼谷子』、ここに解禁!
孫子の師匠と言われ、始皇帝に不老不死の薬を教えたとされる謎の賢人・鬼谷子の残した一冊の書。そこに書かれているのは、「王」という自分より強い立場の人間を、身を守りつつ動かすための「言葉」と「策謀」の技術だった。中国戦国時代、言葉一つで天下を自由自在に動かした遊説家たちの東洋式弁論術の全貌がここに明かされる。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
徒花
308
そこそこおもしろい。いわゆるビジネス書だと思って読むと、ちょっと独特の言葉とかがたくさん出てくるので、案外読みきるのに苦労するかもしれない。あと、最終的には弁論術ではなく、「気の持ちよう」のような話にもなってくる。観念としてはおもしろいが、どれでか実用性に富んでいるかは読んだ人次第……といったところだろうか。しかし、こういうニッチな古典に目をつけるような本は個人的には好み。2016/07/01
孤独な読書人
8
聞きなれない用語が多いが「孫子」にも影響を与えたとされる「鬼谷子」の理論がそれなりにわかる。2016/04/16
ハパナ
7
営業マニュアルにも応用出来そうな内容です。結局"何を言うか"よりも、"誰が誰に言うか"の重要性の方が高いと言うことでしょうか。相手と自分の関係性を踏まえ、自分のポジションを理解した上で意図した選択をさせる。対象の要素を長短、大小等の2択で判別出来る所まで分解して、それらの組合せに丁寧に対処していく。雄弁と寡黙が、どちらも効果的に同列である所が面白い。2016/06/01
大森黃馨
5
西洋のソフィスト交渉術東洋の鬼谷子と言ったところか私は未だ西洋のにも手を付けていないが比較するも面白いかもしれないもしかしたら戦前の外交官や政治家も同様な類書を基礎教養とし研磨していたのかもしれないと思いを馳せる同書の欠点はビジネス書的体裁の為内容が薄い事それも原書の本邦未訳が一因一日も早くそれが実現されるを望む 2022/12/24
小木ハム
5
物々しいタイトルですがこれは人名です。孫子(孫ビンのほう)の師匠にあたる方で、当時の弁論術をしたためたニッチな中国古典。本当に実在したかはっきりしないんだとか。本書は現代語訳を更にわかりやすく解説、史記列伝や管子からも実例を引用しておりとっつきやすい。何においても陰陽で物事を捉え″見えないところ=陰″に力を注ぐのが賢人の手法だそう。根回しや情報収集、陰徳を積むといったところかな。忤合の節に『単線で考えるのではなくもっと人間関係の陰陽を意識し面や立体で把握すべき』とありほへぇと唸った。新たな視点。2018/03/22