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内容説明
水子地蔵、閻魔が死者を裁く地獄、妻帯する僧侶、神仏の併用、そしてお葬式……インドに発し中国を経て伝来した仏教は、わが国独特のすがたに変容し、定着した。こうして日本人の心情に深く根ざした仏教は、では、どのような民族的精神風土の上に受け容れられたのか。また、仏教とふれることで、日本人の宗教意識にどのような変化が生まれたのか。日本文化のはらむ「業」、その光と影を透徹した思惟で見定める一冊。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
森
9
図書館で借りて読みました。読みやすい文章です。あまり気にしていないこと、ちょっとしたことを題材にして話が進みます。仏教的なことと思っていたことが、実は日本人が勝手に思い込んでいるようなことが意外に多い、もう少しこの手の本を読んでみようと思います。2016/06/08
うえ
8
「仏教の地獄は、はるか地底に設定されている…しかし、地獄が地下にあるという伝承は、日本全体ではそれほど多くはない。なぜならば、それは、仏教の正統が生きていた地域での伝承であり、都を離れるにしたがって、地獄のあり場所は圧倒的に山となる。いや、仏教の正統が力をもっていた都に住む貴族たちでも、地獄は山にあると考える者が多かったのである。その代表が越中の立山だ…立山に地獄があるという伝承は、平安時代中期にはすでにできあがっていたといわれる…ほかにも山中にある地獄といえば、青森県下北半島にある「恐山」が有名である」2018/05/29
げん
1
日本人は神様仏様といって仏壇の上に神棚を置いてもなんとも思わない2010/01/20
かりあ
1
たまーーに再読したくなる、そんな数少ない新書の一冊。
とくけんちょ
0
当たり前の文化になぜという疑問をもたせてくれる一端となる本。神さま仏さま、この一言に日本人のたくましさが見える気がする。何でもかんでも、線を引いて杓子定規に分ける必要はない。ただいつの時代も、宗教は政治的に利用されやすく、特に混乱期においては、政教分離の大切さをこの本からも感じ取ることができた。2017/12/14