新潮文庫<br> 幸福について―人生論―

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新潮文庫
幸福について―人生論―

  • 著者名:橋本文夫【訳】
  • 価格 ¥781(本体¥710)
  • 新潮社(2016/05発売)
  • ポイント 7pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784102033012

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内容説明

幸福とは一体何だろう。私たちはどうして幸せになることに執着するのだろう。不幸とは他人との比較によって生まれ、幸せとは自身に備わっているものを育むことで、初めて生まれるのだと著者は説く。明日から何かが劇的に変わるわけではないけれど、本書はきっと先の見えない人生をそっと照らす道標となる。不世出の哲学者が語りかける、社会を一歩ずつ歩いていくための厳しくも優しい人生論。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

mukimi

141
15年前に購入した本を半年かけて読了。「幸せとは」との問いに対す答えが「生存していないよりは好ましい状態」という、人生は苦なくしては語り得ないとの前提から始まる、諦念をベースにした人生論。「人間の生活は万華鏡と同じで回すと違うものが見えるが実は眼前にあるのは同じものだ」「財産や名誉より健全な個性を享受すべき(ひとはパリを楽しむのでなく「パリにいる自分」を楽しむ)との考えは、自分の焦燥感を消火してこんがらがった自尊心をほぐしてくれた。自分の違和感が18世紀の哲学者によって言語化されていたことに感動した。2022/11/27

ehirano1

119
初読では理解しきれないことも相まってなかなか共感できませんでしたが、約8年ぶりの再読において、本書が「逆境における幸福論」であるということに気付いたこともあって理解が進むと同時に共感することが多かったという印象でした。具体的には、孟子の「足るを知る」に近い思想に共感しました。2023/12/29

扉のこちら側

118
2016年404冊め。「幸せなんてつまりは人間の勘違いだけど、まあ幸福について語ってみますよ」的な、「盛大な出落ちか!」と思わず突っ込みたくなる序章。からの「種類の如何を問わず自己の特技を何者にも妨げられずに発揮できることこそ窮極の幸福である」と。昨今流行りの「ミニマリスト」的生き方に憧れる方は大変共感する一冊だろうが、この『幸福について』は『意思と表象としての世界』の補遺であるので、まずそちらを読まなければいけないということはよくわかった。2016/06/14

サワヤマイツキ

89
著者が著者なので想定内ではあったものの、表紙の晴天っぷりに反して頗るペシミスティックな見解。幸福を追求することは決して幸福ではない、快楽を追うのではなく、苦痛なきを追うべきだ、ということを徹底的に説かれる。そして、今現在の私固有のあり方というものについて考えさせられるとともに、それを完全に掌握することは恐らく現時点では不可能であることを思わされる。まあ、所詮は私もまだ道半ばに過ぎないんだよな、まだまだ人生に“きちんと”幻滅もしていなければ、それ自体が目的ではないにせよ、息継ぎするように享楽に耽ることも→2021/08/20

Major

73
本書は人間のあり方、精神的充足、苦痛の不在、孤独、諦念という5つの要諦からなる人生論だ。自分自身を知り、他者の目線を諦めることが幸福の必要十分条件である。著者の「ヤマアラシの寓話」の通り、人は近づきすぎると傷つけ合う。このジレンマを解消し現代の生活実践に活かすには、数字による競争から降りて、他者との適度な距離を保ち、読書や散策の孤独の中で「内面の富」を耕すこと。芸術や趣味を介した利害のない純粋な共同体で喜びを分かち合う事だ。これこそが孤独の寒さを凌ぎ、頑なな自尊心を解す、現代最高の処世術だと語ってくれる。2026/08/06

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