内容説明
「天国へ行くのに最も有効な方法は、地獄へ行く道を熟知することである」「いかなる手段もその目的にとって有効ならば正当化される」「人間は必要に迫られなければ善を行わない」……。浅薄な倫理や道徳を排し、ひたすら現実の社会のみを直視した、中世イタリアの思想家・マキアヴェッリ。「マキアヴェッリズム」という言葉で知られる彼の思想の真髄を、塩野七生が一冊にまとめた箴言集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
78
もうすぐ、「ローマ人の物語」を文庫本での再読が終了しそうなので塩野さんのほかの本を探していたらこの本を見つけました。世界の名著でもう少ししたら、マキアヴェッリを読もうと思うのでこの本がちょうどいいと感じました。この本では主に、「君主論」と「政略論」からのことばが多く採用されています。塩野さんの見方というのはこの本を読んでいて、日本人の女性の割には西欧的な考え方をする人で、権力的な悪をある程度認めているような気がしました。2015/05/13
月讀命
78
君主論などマキアヴェッリの著作よりの抜粋。古き昔に書かれた本からの抜粋であるが、現代社会にも通用する本である。君主たる者、為政者たる者の行うべき方策が具体的に本音で書かれている羅針盤である。お偉い政治家さん読んでください。抜粋なので前後関係が解らず理解しづらい面もあるが、通勤かばんにでも忍ばせておいて、さっと見るのがいい。君主とは全く縁のない私であるが、組織の中でのリーダーシップをとり方のヒントが隠されている様な気がする。「マキアヴェッリ」。このカタカナの羅列を、いまだに発音できないのは私だけでしょうか?2014/10/13
壱萬参仟縁
55
私の目的は、ただ一つ、マキアヴェッリの思想を、彼が対象にした人々に近い条件で、現代の日本人に提供したかったこと(10頁)。183語録から成る。人間にとって、いかに生きるべきかということと、実際はどう生きているかということは、大変にかけ離れている。人間いかに生きるべきか、ばかりを論じて現実の人間の生きざまを直視しようとしない者は、すべてを失い破滅に向うしかなくなる(62頁)。 思いやりに満ちており、信義を重んじ、人間性にあふれ、公明正大で信心も厚いと、思わせることのほうが重要(68頁)。2017/08/30
U
53
マキャベリの『君主論』と『政略論』を中心とした抜粋文集。行間が多く気ままによめる。七生さんのまえがき「読者に」だけでもよむ価値あり。単なる抜粋文集でない作品に仕上がっているように思う。人間の核心をついたマキャベリのことばの数々に、正直大半はつめたい印象をうけたが、中には共感できる一文もあった。2015/10/14
aponchan
32
16世紀に生きたマキアヴェッリの語録。反映する国は傭兵ではなく自国民による軍が必要等々、アメリカに守られている日本の現状を考えるにいろいろなものを示唆している内容。若手行政官への推薦図書にもなっている。日常生活に生かす機会は少ないように思われるが、会社生活の中ではふと考えさせられる場面もあるように思う。2018/10/06
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