内容説明
佐藤優が選ぶ、よりぬき米原万里
ロシア語会議通訳、作家、エッセイストとして活躍した米原万里の作品を、激動のロシアで親交を結んだ盟友・佐藤優がよりぬいた傑作選。
メインディッシュは、初公開の東京外語大学卒業論文、詩人ネクラーソフの生涯。
ロシア、食、言葉をめぐる傑作エッセイ、単行本未収録作品などをロシア料理のフルコースに見立て、佐藤シェフの解説付きで紹介する。
没後10年米原万里を偲ぶオリジナル文庫。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
おさむ
54
「組織が人を切るときの怖さを話しておきたいの。外務省にこれ以上いると危ない」編者である佐藤優氏が東京地検特捜部に逮捕される前日の電話。ここに、米原さんの思慮深さと修羅場をくぐり抜けてきた強靭さがあります。没後10年を機にまとめられた傑作選であるこの本は、スタイルや内容はバラエティで、厳しい批評眼を持ちながらユーモアを失わず、一本筋の通った米原さんの「真の知識人」ぶりを感じさせてくれます。2016/10/09
いちねんせい
48
何より米原さんの卒論を読むことができたこと。二十歳そこそこでこんなものが書けるのか!と、ただ驚くばかり。ネクラーソフにも大変興味を持った。ミラン・クンデラに対する見解にはっとする。もっと読みたいなぁ。2018/04/07
aika
47
「これからは書くことがあなたの仕事になる。」そうして作家・佐藤優を誕生させた米原万里さんのベストエッセイを、ロシア料理のフルコースに見立てたアンソロジー。ネクラーソフをテーマに据えた卒論は既に豪胆さと文章の勢い全開でした。闘病生活の苦悩の中でもネクラーソフの詩を、文学を、彼女なりの正義を貫こうと終生身体に刻み付けたその姿。獄に繋がれた佐藤さんを日本中が大バッシングする中、身を挺してでも守ろうとしてくれた米原さんに感謝する佐藤さんの思いが溢れています。政治評論の綱引きはぜひ佐藤さんに勝ってほしかったなあ。2020/02/23
gtn
43
チェコ生まれの作家クンデラを、文学官僚がまともな作品が書ける訳がないと毛嫌いしたり、何が根拠か、女が選ぶ政治家ベスト・ワースト10を作成したり、どこまでも感覚的な著者。そんな人物が、理論的な佐藤優氏と馬が合うのが面白い。2020/07/03
ヨーイチ
36
気に入った作家の未読エッセイ集が沢山あるって何となく豊かで安心感がある。本作は佐藤優セレクトってお楽しみが付いてくる。佐藤優の程よい距離感と回顧が良いし、両人の微妙に違うマルクスとかレーニン思想もそれなりに面白い。外語大時代の卒論が掲載されていている。コレをチョイスして掲載して有るのが凄い。卒論なのに文芸評論風に読めるのが意外であった。最も門外漢の戯言かもしれないが。米原ファンには嬉しい企画で佐藤優の深さを感じる。2021/11/05
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