妖恋

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妖恋

  • 著者名:皆川博子
  • 価格 ¥689(本体¥627)
  • PHP研究所(2016/05発売)
  • ポイント 6pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784569760452
  • NDC分類:913.6

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内容説明

男と女が落ちたのは、甘美な恋か、底知れぬ闇か。江戸の恋は、こんなにも妖しく、こんなにも切ない。年下の火消し鳶との祝言をひかえた女が、火事の夜に知ってしまった男の秘密に、自らの暗い深淵を覗き込む「心中薄雪桜」。「血の臭いをかぐと螢は死ぬよ……」。姉の家に男を誘う少女の闇を描く「螢沢」。菊作りに精を出す隠居した男が月夜に出会った、娘姿の人形を操る不思議な少年に魅せられてゆく「十六夜鏡」。変化朝顔に魅入られた男女の虚ろで残酷な恋の末路を、無垢な少女が見つめる「濡れ千鳥」。『開かせていただき光栄です』『少年十字軍』などで話題の著者が、江戸の四季の風物に彩られた七つの恋のかたちを描く。大人のための、そして大人の世界を垣間見たい人のための珠玉の短編集。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

YM

86
恋とは夢か幻か。今日もあなたに会えるでしょうか。。2015/04/04

優希

57
江戸の四季の風物に彩られた恋が妖しくも切なかったです。時に狂気すら感じさせ、気がつくと目の前にある世界が彼岸になっている風景が怖いけれど心地良かったです。曖昧な境界線、踏み越える恐ろしさ。現が幻になり幻が現になる妖艶な世界。甘美なる闇に誘われ、描かれている恋に魅せられるのでしょう。迷い続けて終わらない世界に浸る感覚が何とも言えない気分にさせますね。2014/12/17

mii22.

45
現実と幻想の境界を往来するような妖しく艶やかな江戸の恋物語7篇。日本語の豊かさ美しさを感じながら粋な江戸の生活とそこで繰り広げられる命をかけた男女の恋に酔わされる。題名も言葉の響きも美しい流麗で情緒的な文章表現は日本美そのもの。2016/11/21

tomoko

35
皆川さんの時代物は初めて読んだ。七つの短編だが、幻想的で妖しく儚く、そして美しい。蛍や朝顔、菊などが、色恋の切なさ、季節感、絶望感を際立たせている。皆川さんが紡ぐ様々な言葉、語句の美しさは、日本語でなければ表現できないだろうな…と思いながら、その世界に引き込まれていった。2019/07/14

絹恵

35
此岸に立つ者と彼岸に立つ者は交じり逢うことは許されないけれど、万有引力がはたらくように惹かれるのだと思います。面差しを思い出して何度も死という完成した思いに身を沈めます。それでも美しさはここにある、だから桜のひとひらが舞う姿を見つめ惜しみながら、桜に恋をする儚さを胸に生きて行くのだろう、この狂気の世界で。2014/07/19

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