内容説明
秘めた過去を、隠さねばならない真実を抱えた人たちがいる。彼らが遭遇した怪異の原因がその“閉じ込めたもの”にある場合、その体験談は誰にも語られぬまま、朽ちることもできずに胸底に仕舞われていく。多くは生々しい恐怖といまだ消せぬ未来への不安とともに…。実話怪談、またの名は聞き書き恐怖譚。誰かが体験した恐怖を聞き取り、書き残したもの。今回収録することができた話は、著者・久田樹生の人間性に負うところが大きい。けして秘密を暴くのではない、体験者自らが打ち明けてもいいという気持ちになるのは、彼らが抱え続けた痛みを共に背負う覚悟が久田にあることが分かるからだろう。固く閉ざされた心の禊を久田が解く時、恐怖は堰を切って溢れだす。そう、これは禁忌の解放なのだ。 秘められた過去、匿された因果、噴き出す怪とこの恐怖。禁忌の域に挑む聞き書き実話怪談!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ゆみきーにゃ
50
《購入》最後まで読んだけど、あたしには合いませんでした。久田さん好きなので残念。2017/11/01
さりぃ
18
#「超」怖い話 怪罪 #久田樹生 いつも通りの超シリーズ。 久田先生の書き口は嫌いじゃないので嬉しい。 ただこれ、途中で(読んだことがあるのが入ってる気がする?)と思う。 似たような題材のを読んだだけか?謎。 『熱と花柄と』『どうしても触りたかった』 『声』~『手帳』『隠』~『報』 辺りは秀逸。 今回は「身に覚えのない逆恨みのようなもの」が多かった気がする。 なんでそんな目に?2020/07/03
まあちゃん
17
何人かの長期間にわたる実体験を収録。六部殺しという言葉を初めて聞きました。調べたところ、ある程度頻繁に行われていたようですね。そこから代々への祟りが発生って、またびっくり。手の長い女が事あるごとに現れるという体験などあり。興味深くこの手の本をつい読んでしまいますが、書店でまとめて買おうとしたときに、圧倒的なよくない何かを感じ、倦怠感が発生したのでやめたことがあります。昨日も毒クモに刺される夢を見て、嫌な感じです。2018/03/19
HANA
9
断章の寄せ集めだが、続けて読んでも何かが浮かび上がってくるわけではなし。不思議な話の寄せ集めのような印象を受けた。霊も何も関係のない「遠くにありて思うもの・・・」が最高にツボにはまる。たまにはこうした優しい怪談も悪くはない。ただ「声」「シンパシー」などはわけのわからなさが先に立ち怖さは感じられなかった。やはり因果モノは嫌い。2011/05/13
猫丸
8
文章に、というよりは使用語彙・表記にクセがある著者である。それが気になると内容が入ってこない。たとえば「ごくまれに」と書きたいときにどうするか。本書の著者は「極希に」と書く。2ヶ所あって両方ともそうだ。この感覚は共有できないな。「ゆるす」を、文脈関係なしに「赦す」で通すのにも賛成しない。どの漢字を用いるか。あるいは漢字を開くかどうかは、個人の言語感覚の重要な部分を占めると思う。僕なら「おぞましい」を「悍ましい」と書くことはない。というか、こんな漢字書けやしない。内容無関係乞御容赦。2024/11/22