内容説明
「私は皇軍に感謝している」──。日中戦争の時期、実は毛沢東は蒋介石や国民党軍の情報を日本に売り、巨額の情報提供料をせしめていた。それどころか、中共と日本軍の停戦すら申し入れている。毛沢東の基本戦略は、日本との戦いは蒋介石の国民党に任せ、温存した力をその後の「国民党潰し」に使い、自分が皇帝になることだったのだ。中国研究の第一人者が、徹底調査した資料で物語る「中国共産党の不都合な真実」。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
マエダ
59
若い時のハングリー精神や死してなを人の心に残ろうとする心意気はすごい、読書に対する熱意も見習わねばならない。幼い時には当時禁書であった水滸伝や三国志を好んで読み、青年時には国富論など古典を貪るように読んでいたとありとても親近感が湧く面もある。2016/02/02
とくけんちょ
55
いや、中華人民共和国の成り立ちは複雑です。その時代背景や国内の統一、国外の情勢の中で国家の為政者となるか。勝てば官軍とはよく言ったもので、その道のりが帝王学となる。裏切りと謀略の坩堝で、生き抜いたこの時代の英雄はバイタリティがすごい。いいも悪いもひっくるめて、学ぶことが多い。2021/06/12
北本 亜嵐
34
日中戦争時、国民党軍の情報を日本軍に流して両者を戦わせている間に自らの勢力を着々と蓄えていった中国共産党軍。自らの野望を達成するためには敵の力を借りるしたたかさ。戦後、「中華人民共和国」を設立し「建国の父」となるが、その裏では都合の悪い事(日本軍に協力していたこと)を知る人物を投獄や処刑、「大躍進」「文革」で多くの人民を殺している。ヒットラーやスターリン、歴史上には多くの「独裁者」がいたが、これ程に多くの生命を奪った指導者はいない。中国近代史の「闇」がわかる一冊。2016/03/04
青色夜ふかし
32
1900年代の東アジアの状況が面白おかしく書いてある。歴史は裏表。暗殺者も裏側からみると英雄。だから面白い。真偽のほどは私の知識では分からない。◉筆者の主張「毛沢東は政敵である蒋介石を弱体化させ天下を取るために、日本軍や汪兆銘傀儡政権と手を組んだ。」革命の実態は「個人崇拝」が目的「永遠なる帝王願望」だった。毛沢東は様々な運動を展開し、気に入らない国民を殺戮してきた。2018/02/23
出世八五郎
30
小林よしのり漫画で「毛沢東が皇軍に感謝している。」というのは知っていた。本書では多数の資料により、それを改めて知ることが出来た。毛沢東は支那民族を裏切り欺き、日本軍に国民党の情報を売っていた。蒋介石と日本軍を戦わせることで国民党軍を疲弊させ、毛沢東は漁夫の利を得て支那の支配者になった。支那統一後、スパイ活動で機密情報を知る者はほぼ全て投獄され死亡に至る。潘漢年を筆頭に毛沢東の為に一生懸命働いた者は全て投獄された。これは知られてはならないこと。2020/04/15
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