内容説明
「雨はれて、月おぼろにかすむ夜――」三島由紀夫、谷崎潤一郎も愛した怪談『雨月物語』を大胆・鮮やかに再現。 【祟り神】天皇家が700年間も恐れた怨霊『白峯』 【元祖ボーイズラブ!?】試される義兄弟の絆『菊花の契り』 【映画で有名】帰らぬ夫と待つ妻『浅茅が宿』 【不思議体験】魚に変身した画僧の物語『夢応の鯉魚』 【異形のモノ】うかつな親子が遭遇・高野山の怪『仏法僧』 【驚愕のラスト】お告げに背いた夫婦『吉備津の釜』 【ずっと一緒に…】追う女・追われる男『蛇性の婬』 【人喰い】美童に溺れた僧の猟奇的事件『青頭巾』 【予知】お金好きの武士と黄金の精霊との問答『貧富論』 ……全9話美しい言葉で綴られた中世日本の残酷な物語。心の奥にじわりじわりと染みこむ――!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
たろさ
11
【日本の夏は、やっぱり怪談】〈其の三・和洋折衷〉『吉備津の釜』怖さより磯良がかわいそうでもっと酷い目に遭ってもよかったのでは。自業自得。『青頭巾』「(鬼になるのは)みんな女の話で、男たるものがこうなった例を聞いたことがない。およそ女はねじまがった性質があるので、そんなさもしい鬼にもなる』怪談読んでるのに笑ってしまった。鬼になるのは根性がねじまがってる女だけだそうです。2021/08/11
cherry☆
11
「雨月物語」の内容を初めて知った。シンプルな怪談話の構成が逆に怨霊たちから人間味を感じさせて、怖いけれども同情や共感の気持ちを湧き起こさせるような雰囲気のある内容だった。崇徳院の怨念って聞いたことがあるけれど、なるほど、こういう経緯があったのかと知ると祟りも起こしたくなるよね~と思えてしまう。他にも「蛇性の婬」は結局人間ではなかったけれど、女の執念って怖い・・・同性ながらも怖すぎる。あとは「青頭巾」がなんとなく印象深かった。どの話も人を怖がらせているけれども怨霊達にもそれなりの思うところはあるんだろうね。2015/10/22
なべさん
10
雨月物語が読んでみたいなとずっと思っていて、本屋でこの本を見つけた時、思わず買ってしまった。雨月物語を丁寧に解説してとてもわかりやすい。ただ、もう少し原文で読んでみたかったので、今度は原文の載っているものを読もうと思った。2016/01/06
Moeko Matsuda
6
やっぱり雨月物語は面白いなぁ!どちらかと言うと直訳に近い本編と、用語の説明や関連する豆知識を織り交ぜた一冊。読みやすいけれども、特にすごく特徴的というわけではないので、入門編にはちょうどいいかも。できれば原文を読んで自分なりの訳や理解がすんなりできるのがいいのでしょうが、なかなかそれは難しいのでσ^_^;探求の入り口には、こういう本を一冊読んでみるのが早道だろうなぁと思います。2015/11/20
chatnoir
5
他の漫画なんかのモチーフになっている事も多い雨月物語。ちょっと説明が煩いかな。アスタリスク一つで解説に入るので、なんだか物語が切れ切れになるのが個人的にイヤだった。2016/01/16