内容説明
今年いちばん泣ける映画、もうひとつの物語。
余命わずかと宣告されたご主人さまは、自分と同じ姿をした悪魔と取引をした。「この世界からモノを一つ消す。そのかわりに、キミの命を一日ぶんだけ延ばす」と。電話、映画、時計……。モノが消えていくたびに、ご主人さまと結びついていた人の記憶までが失われていくようだ。そして悪魔は、世界から猫を消すと提案する。ボクのことなんて消してしまっていいんだよ、ご主人さま……。最後に、飼い主が選択した決断とは!?
感涙のベストセラー原作の映画『世界から猫が消えたなら』を、主人公の飼い猫であるキャベツの視点で描いた、感動の物語。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
小梅
147
6月の猫本。原作を読んだのは2年半ぐらい前でしたか…「世界から猫が消えたなら」の猫目線バージョン。原作がなければこの作品も無いのだけれど、私はこちらの作品の方が好きです。ラストは泣きました。2017/06/25
ウッディ
123
ちっぽけな存在だけど、気高くて、飼い主が好き・・そんな猫「キャベツ」の視点で描かれた「世界から猫が消えたなら」。自分がいなくなった世界の事を考える小さな命の存在が切ない。2017/05/21
げんちゃん
91
河村元気2作目です❗️あっと言う前に読み終わりました。世界から猫が消えたならのキャベツの視点から描いた作品でまた違う感動がありました。「人間は何か大切なものを失ってから知る事がある」という言葉が私の心に響きました。河村元気の作品の中で一番好きな作品で心に残るものになると思います。2019/04/06
ゆかーん
87
前作は「僕」が主人公でしたが、今回は「キャベツ」という名前の猫が主人公。余命1週間の宣告を受けた僕は、モノと引き換えに自分の命を1日だけ伸ばすことができます。モノを失うことで大切な恋人、親友、家族も失い孤独を感じる主人公。つながっていたものが消えてしまう悲しさと、この世から自分という人間が消滅する怖さに苛まれながら生きる彼に、猫のキャベツが最後の最後まで寄り添ってくれます。無くなって初めて気が付く大切なモノや人の存在を通じて、「出会えてよかった」と言えるような生き方を感じることができたら素敵ですね。2017/07/05
miww
83
かなり前に原作を読んで、こないだ映画を観て、今日この本を読んで。3回号泣した。キャベツ目線のお話。映画をキャベツ目線が解説しているっていう印象かな。いろんな物を消して気づく生きる意味。たくさんの人や物を通じて今の自分が存在しているんだ。今回も心に沁みた言葉がいっぱい。「‥出会ってすらいないことになれば、それは全部なくなる。何のつながりもない1人きりの人生に、生きる意味なんてないのだ。」映画もこの作品もとても良かったです。2016/05/28