内容説明
ひとり暮らしの私を突然男連れで訪ね、男を置いて帰ってしまった妹リカコ。外見はそっくりで性格は正反対、甘い声で喋り、男に囲まれ、私を慕いながら、一方で恋人まで奪おうとする妹。痛くて切ない姉妹関係をリアルに描く表題作をはじめ、人とのつながり、自分の居場所を誠実に問う作品集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
けぴ
50
角田光代さんは初期の作品から概ね読了していますが、これは未読でした。姉妹の確執を姉視点で語る『夜かかる虹』と掴みどころのない男についていき自動車で放浪する『草の巣』の二編。直木賞受賞前の作品で最近の著作と比較すると会話文が少なく読むのに時間がかかる。特に『草の巣』は芥川賞狙いかという難解な世界観でした。2023/05/28
ミカママ
33
再読だった。積ん読本が文字通り山積みの中、再読なんてしてる場合じゃないのに、角田さんの作品はやっぱり読んじゃう。解説にもあるように、角田さんの作品は次から次へと「だめだめな人」が出てきて、なんていうか身につまされるんです。この作品は比較的初期のものなのか、少々文章が硬いような。それとあんまりお料理シーンがなかったのが残念。2013/08/27
水色系
24
中編2篇。表題作、見た目はそっくりだが性格はぜんぜんちがうという妹、リカコ。小さいときにいじめていた妹は、大人になった今、姉の手にするものごと(男まで!)を何でも横取りしていく。なんやろ、私はむしろある種の同族嫌悪みたいなものをこの姉妹間から感じ取ったわ。ざわざわする。2021/09/21
なつ
24
ざわざわと心をなでられる感じ。なんとなくわかるような感情。薄暗い路地裏みたいな感じなんだけれど、だれかの日常をみた感じもする。どこか痛い、苦しい。だけど見覚えのあるような、そんな短編集だった。2017/02/23
優雨
23
夜かかる虹(月虹)が好きなのと、角田光代さんの小説が好きなので読んでみた。「夜かかる虹」のほうは、月虹の美しさとは程遠い、お互いを憎んでいる姉妹の話で、憎み合っているのに離れられない家族の関係をおもって、息苦しくなった。ラストシーンのリカコの赤い傘と、雨上がりの街の印象だけが、ぽつりと寂しく妙に胸に残る。「草の巣」は、他の人の感想は割と酷評されているけれど、危ないとわかっていて、そっちに進んでしまった結果、後戻りできなくなったり、現実感もなく景色が流れていく頼りない感覚は、経験上わかる気がする。2021/04/13




