内容説明
年に1度、春の川辺にやってくる緑の髪の女の人。真夜中にだけ開館する秘密の図書館。鬼子母神伝説がささやかれる、ザクロの木のある保育園。父さんが聞かせてくれた昔話はどれも不思議であったかく、そして秘密の匂いがした。小さな奇跡でつながっている家族たち。産経児童出版文化賞フジテレビ賞受賞。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
masa@レビューお休み中
129
家族というものは、その存在自体がミラクルだ。ひとつの小さな団体の中で共同生活をして、互いに影響したりされたりする。それだけではなくて、血のつながりもある。血のつながりは強い。どんなに仲が悪くても、うまく話ができなくても、そのしがらみは取れることなく、いつも、いついつまでも巻きついて取れない。短篇集『ミラクルファミリー』には、9の物語、9の家族が登場する。どの家族もひと癖もふた癖もある、厄介な家族ばかりだ。愛すべき厄介な家族たちが織りなすファンタジーストーリー。2015/04/15
はつばあば
66
昔のお父さんは雷親父と呼ばれるくらい怖かった。怒りはしないが存在自体が怖かったのかも(いつも肩車されていたのに申し訳ないです。)今のお父さんはイクメンと呼ばれ優しいのでしょう。この小説、短編で9つの家族のお話なのですがとてもほんわかとします。こんな親子関係ならイジメする子もいないだろうな。「オレの父ちゃんたぬきだぜ」なんて(^_-)-☆。「ザクロの木の下で」は不妊に悩む人も子供が育てられない人にも福音をもたらす解決策なんだけどなぁ。現実はそうもいくまいが。「父さんのお助け神様」も星の数なんて満天の夜空の如2016/09/20
takaC
62
安心の柏葉ブランド。欲を言えば後10話ぐらい入れて欲しい。2014/02/01
かおりんご
48
小説。お父さんが主人公の、どこか不思議で、心温まるお話が一杯でした。さくっと読めます。2014/10/25
モリー
40
久し振りに柏葉幸子さんの作品に浸りました。子供たちにも読んでほしいのですが、大人向けの小説の味を知ってしまった我が子達は、表紙の絵を見ただけで、はなから馬鹿にして読もうとしません。三年前に出会えたら違っていたかも。この本の味わいを自分の言葉で伝えるのが難しいので、以下解説から引用。「それは「詩」であるとともに「実話」でもあり、どちらも包含している領域の真実、つまり「ほんとうにほんとう」であって、「洞察を得た」「知った」「思い出した」という照らされるような読書体験をもたらしてくれる。」2018/10/28