内容説明
いいとこなんて特にない。平凡きわまるぼんやり猫の「フランシス子」。けれど、著者とは相思相愛だった。忘れがたき存在を亡くし、自らに訪れる死を予感しながらも、訥々と、詩うように語られた優しく輝く言葉たち。「戦後思想界の巨人」吉本隆明が、人生の最後に遺した、あまりにも愛おしい肉声の記録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
to boy
23
はじめての吉本さん。亡くなった猫フランシス子の話かと思えばとても奥深い内容でした。自分そのままの「うつし」である猫から実在への疑いに話が進み、この世で当たり前だと思われている事への疑問を語り、親鸞の人生観を語り と、ばらばらだった話題が一つに繋がっていく感じを受けました。再読リストに入れます。2017/02/26
garakuta@寝る三時間前に風呂を浴びると良い睡眠
14
図書館本:戦後の思想家の話らしいが、器が大きくて凄いなと思いました。愛される人としての声は忘れる事が出来ないかも。と言いつつ明日には本の内容忘れてるかも。2021/02/20
いっちゃん
13
吉本隆明が、亡くなる少し前に女性編集者に語ったお話。あとがきのような中沢新一の吉本隆明に対する親愛の情を感じる文章がよかった。フランシス子って命名したばななのセンスのよさに感心。2016/07/30
チェアー
13
フランシス子が自分の「うつし」であることから、実在を突き詰めることの難しさ、そして親鸞の根本について、平易な言葉で濃い内容はを語る。説得するでも説明するでもない、静かな語り口が印象に残る。2016/05/18
江藤はるは
11
猫になりたい 言葉ははかない。2019/11/10