内容説明
夫婦って、家族ってなんだろう? 愛でも嫉妬でもない、なにかもっと厄介なものをど真ん中に抱えて、私たちはどこへ向かうのだろう? 3LDK35年ローン、郊外のマンションに暮らす30代夫婦の生活を揺らす、さざ波のような出来事を通して、現代の家族のあてどない姿をリアルに描いた傑作長篇小説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ひろちゃん
100
人間のちょっとダークな部分、ちょっとしたドロドロに関してはこういうことあるよね、と共感できる。「あ、親戚が集まるとこうだわ」「嫁姑ってこうなるわ」でもなんだかそういうやりとりも楽しそうだなと感じた。2015/11/17
あつひめ
70
ああ、人って本当はこうやって考えているようで考えていない乾いた心なのかもなぁと思った。夢や希望や欲望ギラギラみたいなのが生きている人と思っていたけど、本当はそうありたいと思って頑張るからギラギラする。自分の心のままに生きるとこの夫婦のようなつかみどころのない生き様になるのかもしれない。その生き方が悪いということではない。ただとても寂しい気がした。漠然とただ息をしているような虚しさ。夫婦や家族がべったりする必要はないが、相手を必要と思える関係は、やはり大切な気がした。結婚26年目、結婚はいいものだと思うが。2017/08/24
ゆにこ
55
自分たち夫婦は結婚してても離婚しても同じ、ゼロでしかないと房子は言ってたけど、夫婦ってそんな同じ目標を持って何かを作り上げていく物なんだろうか。子育てや住宅購入、ではなく、房子曰くテーゼとなるもの。他所の夫婦はどうなんだろうと不安になった。2016/02/18
tom
42
この人の本はたまに、どういう感想を抱くのが正解なのかさっぱりわからない本がある。つまらない、というわけでもないのがまた不思議。とりあえずよくわからずに結婚して子どももいないのに仕事もせず実家に入り浸るような人はしょーもないと思う。2018/07/06
ピース
35
宗二と房子は夫婦だか何とも冷めた夫婦だ。しかも最初からお互いに関心がないみたいだ。だから普通は和田レミのような女が現れたら修羅場となってもおかしくないが、そのレミが房子と会っても何も起こらない。それはいいことなのか悪いことなのか。決してつまらない訳ではないけど何か不思議な感じだった。2021/03/27