内容説明
「私はあなたと別れます。なぜならあなたが途轍もない馬鹿だとわかったからです。足は臭いし、チンポが臭いくせにフェラチオしろと言うし」誰もがみな本音しか言わないすがすがしい街「本音街」、突然現れ日本を大混乱に陥れる巨大怪獣「ギャオスの話」他全七篇。奇想あふれる破天荒なる爆笑暴発小説集!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
青乃108号
150
我が心の作家、町田康の短編集。7話収録。中でも「どぶさらえ」がベスト。俺も経験した事があるのだが町内会の役員会議。あの不毛な会議のくだらなさを真にくだらなく書いてくれていて大変爽快である。嫌々ながらどぶさらえを押し付けられた彼が孤軍奮闘の末、汚物にまみれてドブ川に沈んで行くラストは壮絶である。その他「ギャオスの話」は町田には珍しく俯瞰で怪獣騒動を描いており、なんか新鮮な感覚を覚えたり。ラストの2話は町田の作品にしては冗長に感じ、どこまで話引っ張る気なん、と気が遠くなりかけたがギリギリなんとか持ちこたえた。2023/07/23
ケイ
140
面白いんだけど、いくつも続けて読めない短編たち。一つか二つ読んで、ほかの本を読んで戻ってくると、またハハハ笑となる。それが良さとも、この作家の限界かとも感じた。このリズムがぴったりあえば、こんなにツボにハマる人もいないだろうが、ぴったりくる人の数が限られるようにも思えるから。どこか中島らもを思わせるのだが、らも氏のように振り切れていない気もする。もっと読んで理解したい、とまでの気持ちにはなれなかった。 2018/03/01
masa
88
たとえばパンだ。僕を生かすもの。マヨネーズの土手に目玉焼きをのせたトーストだ。情報じゃなくパンだ。パンダじゃないパンだ、だ。なにをいっとるんだ。つまり生きるにはひりひりとした現実を食べるわけ。情報商材は食べられないわけ。穀物をつくるのは株主じゃなく農家で、品質を担保するのはISOじゃなく労働者なわけ。なのに無責任な立場から絶対にできない正論をドヤり、成功したらわたしのおかげ、失敗したらあなたのやり方が悪い。そんな奴隷制度の仕組みを騙り口を開けエサを待つサイバーガタロたちにあぱぱ踊らずに叫べ、ビバ!カッパ!2020/01/11
おいしゃん
85
「奇想あふれる破天荒なる爆笑暴発小説集」という作品紹介そのまま!今回も町田康ワールドを存分に楽しんだ。話は突拍子ないが、出てくる人物は周りにもいそうな人々。そんな人々が、一線を軽々と超えていく。そこが町田康の面白さであり、気持ち良さなのかと気づいた。誰もが本音しか言わない「本音街」、清々しいまでにとことん働く姿勢を見せない同僚を描く「自分の群像」など、どれも秀逸。2016/03/11
HANA
75
あかん、乗り物の中で読んだのであるが、マスクをしていないと非常に危険な状態であった。「犬死」「どぶさらえ」「あぱぱ踊り」等は著者の小説に付き物のどうしようもない自意識を持て余した人物が登場してそれだけで笑えるのだが、「本音街」「ギャオスの話」「一言主の神」等は徹頭徹尾大爆笑。怪獣が人を喰う時の「婆さんがあられを抓む」「爺さんが仁丹を飲む」という比喩とか、幼武尊が部屋から出た後の混乱は読んでて涙が出た。世界が異化したり異物が突然出現して、それが巻き起こす混乱を笑うのは筒井康隆に通じたものがあるように思える。2019/01/19
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