内容説明
変わり行く季節を愛し、四季折々の行事やしきたりを重んじた江戸市井の人々。平穏な世の死角で起きる惨事もまた、江戸の風習と無縁ではなかった。織物問屋主人急死の真相を暴く「七種粥(ななくさがゆ)」、絵職人の犯罪を描く「虎」など、色情が高じて忠義を忘れ、後戻り出来ない魔道に迷う人間の愚かしさを突いた時代推理の名品6編。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ふじさん
74
江戸の季節折々の行事やしきたり、風物を巧みに織り込んだ時代推理小説。織物問屋の主人を女将の千勢と忠助が仕組んエ殺した真相を暴く「七種粥」、宗吉とお蝶の謀の顛末を描いた「役者絵」等、男女が色情に溺れ忠義や人の道を忘れ、後戻り出来ない悪の道に迷い込む人間の愚かしさや業の深さを描いた短編集。久しぶりの清張、古さを感じない。面白かった。2021/02/15
Kira
13
図書館本。江戸の風習や四季折々の行事が巧みに織り込まれた時代ミステリを六篇収録。中でも、倒叙ミステリ風の「役者絵」が面白かった。松本氏はシリーズものを嫌ったそうで、岡っ引きや同心などが活躍する捕物帳シリーズなどはないらしい。なんだかもったいないような気がする。2022/07/10
ながのゆうこ
9
江戸の風物を織り交ぜながらいろんな仕掛けを見せてくれる短編集。小物の悪い男ばかり出てくるが「七草粥」の男は悪者なりの正義を振りかざしてきてつくづくこんな男には出会いたくないと思う。2018/11/01
グラスホッパー
5
再読。人間は、江戸時代でも現代でも『色と欲』だけの生き物だ。2023/08/26
つらら
4
冴える清張節。この「登場人物に寄り添わない」心理描写がいいんだな~。今回は時代物ということで、地の文の格好よさとともにセリフのテンポのよさも楽しめる。2011/05/28
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