内容説明
微妙に心地よい脳をくすぐる32編 傑作ショートショート集!郁子が頼まれたアルバイトの内容は、別人になりすまして横浜元町へ行きワンピースを一着買い求め、さらに店で小物入れを忘れて帰ることだった……(「奇妙なアルバイト」より)。せわしないけどありきたりの日常を、いつしか得体のしれない影が蝕んでいく。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
優希
81
久々に阿刀田さんのショートショートを読みました。奇妙に歪み、ねじれた時間が流れる中で奏でられるブルースが見事です。短いストーリーの中に男女の絡み、現実と幻想の世界が綺麗にまとまっている。奇妙な味わいなのに、日常から離れて癒しをくれるような感じがしました。2017/08/21
KAZOO
69
ミニコミ誌や雑誌などの掲載された短編というよりもショートショートといったほうがいいのかもしれませんが32編の作品が収められています。男女関係が多いのですが、誤解がちょうどうまくかみ合わさっているという面白いものもあったりして阿刀田さん特有のエスプリが効いている作品が多いように感じられました。2015/08/01
takaC
50
「本書は1996年1月に刊行された講談社文庫を一部改定した新装版です。」とあったが、解説がなくなって新装版あとがきが増えたことぐらいしか気がつけなかった。ほとんど時間をあけずに読んだのだが。2014/05/14
たま
21
恋愛ものからブラックユーモアまで、ジャンルの幅が広いショートショート集。酒場とかお酒の絡むお話が多いなぁと思っていたのですが、ご本人によるあとがきでその理由に納得しました。特に印象に残っているのは「黒と白のブルース」で、文章が全て二人称で始まることに新鮮さを感じました。また、「くぼみ頭」の発想の逆転も面白かったです。2013/01/26
芍薬
12
企画としてのショートショート集。なんの企画だったのかお題を予想するのが楽しいです。2014/03/19