内容説明
時代遅れと言われても。俺は俺のやり方で株主総会を仕切ってやる――。帝都食品への強要罪で逮捕されてから2年。戻った木下勇次を待っていたのは娘の死だった。彼女はなぜ死んだのか。真相を探る勇次の前に投資ファンド経営者、北野が現れる。帝都食品にTOBを仕掛ける彼の目的は?
目次
復讐総会
奪われた志
名誉ある死
堕ちた歯車
家業再興
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
誰かのプリン
15
元総会屋の勇次と元警視庁刑事藤堂とのコンビで、時に困っている人を助け或いはハングマン的に相手をとっちめる場面が気持ちよい。2020/02/29
crazy cool joe
2
元総会屋のお話。銀行の内情が伝わってきたり、なんとなくダーティーな半沢を読んでる気分。これはこれで面白い。2014/09/24
こばきよ
2
株主総会での総会屋の存在。今年の東電はどうだったんでしょうか。勧善懲悪ってやっぱりいいですね。2010/11/19
とりもも
1
元銀行員が書いているのに銀行員がとても悪者。話の展開等は池井戸潤の方がおもしいろいと感じたが(この著者の作品はこれが初めて)別に本作は悪いわけでもない。2014/07/07
石
1
今は排除されつつある元総会屋の話。5本の短編で構成された本作であるが、私には少し総会屋という設定を活かしきれていないように感じた。その中でも最後の築地の仲買業の再建話は面白かった。ポイントは貸倒引当金と贈与税だ。銀行は金をフローにすることで初めて商売になる職業。巨額の貸倒引当金は大損になる。又債権放棄にしても贈与税が課せられるために使いたくはない。RCCを利用した言わば法の抜け穴的な再建手法は今も行われているが合理的と言えるだろう。2013/02/11