内容説明
実話怪談としては長編と言ってもいい50ページを超える大作「撃墜王」「背中」、30ページを超える中編「恋の見立て」「ヒューム」を含む全8作を収録。どれもこの長さでしか収められない途方もない怪奇事件である。長きにわたる真摯な取材によってしかなしえない究極の実話怪談と言っていいだろう。恐怖はふいにやってくる。首筋を撫でる北風のように、荒々しく巻き上げるハリケーンのように、あなたを突然襲い翻弄する。それは見えないし、避けることもできない。生きている限り、あなたの呼吸する空気にもはや「それ」はいるのだから……。じっくりと呼吸するようにこの濃密なる恐怖を堪能していただきたい。謎に包まれた因果をひも解く昂揚感、妖しくも馨しい昭和の匂い、すべてが実話であるという衝撃を噛みしめながら――。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
HANA
14
今までと比べると、陰鬱な文体が板についてきている。長めの話も多いからどうしても実話怪談っぽくないというか。いっそのこと初めから小説として発表すればいいのにと思ったりする。ただ自分はこの人の文体、決して嫌いじゃないんですよね。雰囲気を出すのが上手いというか。2012/03/09
王天上
8
長編怪談を得意とする作家らしいが、フィクション感が増すばかりで内容は薄く、長編にする必然性はあまり感じなかった。小説風なのに最後は尻切れトンボになってたりして、居心地も悪かった。普通サイズの「円錐」が面白かったので、是非こちらの路線でいってほしい。2015/09/01
パブロ
4
なんか小説だよね〜。それによって実話怪談の怖さが身に迫ってこないんです。これだけ実話怪談を描く人たちが増えたんで、それぞれ個性を出そうと工夫を凝らしているから、まぁ、しゃ〜ないか〜と思ってみたりするんですけどね。ちょっと中途半端が否めません。「撃墜王」もね、もっとブラッシュアップしてくれたら、もっともっと怖くなるのに…。ホント惜しいな〜。2012/03/08
澤水月
4
長くなればなるだけ実話感が薄れて小説テイストに… 魔鶏は良かった 短い話の畳み掛けはもう難しいんだろうか2012/03/05
加藤
3
(実話怪談の範疇だと長編らしい)中編サイズの作品が特にいい。「撃墜王」見も知らぬ自殺者の遺書が自分宛に書き綴られたものであることの禍々しさ。タイトルの由来にも恐怖。「背中」郷愁を誘う環境描写と、それを異化する怪異の取り合わせ。ジュブナイル怪談との評になるほどと。 2023/02/05
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