山本周五郎で生きる悦びを知る

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山本周五郎で生きる悦びを知る

  • 著者名:福田和也
  • 価格 ¥880(本体¥800)
  • PHP研究所(2016/05発売)
  • 夏休みの締めくくり!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~8/24)
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  • ISBN:9784569830537

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内容説明

「――これまでかつて政治が貧困や無知に対してなにかしたことがあるか」……誰か他の小説家がこれと同じような台詞を書いているのを読んだら、辟易してすぐ本を閉じることだろう。ところが周五郎の小説では、この「赤ひげ」の分かりやすい正義が心に迫ってくる。何故だろうか……。人間の人間らしさを生涯にわたって探究し続け、自らの生活そのものを小説にささげた周五郎の小説の言葉は、どこかからの借り物ではなく、彼自身が自ら獲得してきた言葉である。彼自身の言葉を用いれば、周五郎は「貧困や病苦や失意や、絶望のなか」の「生きる苦しみや悲しみ」そして「ささやかであるが深いよろこび」を描こうとしたと言えよう。あらゆる文学賞を辞退し、ただひたすら自らが「書かずにいられないもの」を描き続けた作家の真髄を味わう。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

シュラフ

33
山本周五郎の作品は、「涙とともにパンを食べた者でなければ、人生の本当の味は分からない」というゲーテの名言そのも。我々の人生には納得できないことが多くある。私の場合も理不尽な会社の人事に苦しんで、すべての仕事を投げ出しそうになったことがある。そんな辛い時期を救ってくれたのが山本周五郎の作品。頑張っても報われないかもしれないが、人生を投げ出すなよ、きっといつかは日の目を見るときが来るはずだと、そんなささやきに励まされた。いま若い奴らを見ると、同じようにもがき苦しんでいる奴がいる。自棄になるなよ、と見守りたい。2018/02/04

nbhd

19
「季節のない街」を読んで、山本周五郎の得体の知れなさに興味を持って、手に取った。福田和也さんって、勢いのある保守系の論壇人だった気がするのだが、この本は作品解説+伝記+紀行のまったりしたもの。【引用】「このノートを小説として再現しながら、作中の人物のひとりひとりに、私は限りない愛着となつかしさを感ずる。この人たちはかつて私の身近に生きていたのだ。かれらの笑い声や、嘆きや怒りや、啜り泣く声が、いまふたたび私のところに帰ってきたのである。それを歪曲することなく、できるだけあったままに私は写し取ってゆきたい」。2024/07/23

ペンギン伊予守

4
福田先生久しぶりの新刊を読んでみたら、凄みが増していました。2016/04/29

マウンテンゴリラ

2
権力を求め、それにすがって生きたほとんどの人間が、他人にとっての糧となるものを残さずに死んでいったのに対し、反権力、反権威に生きた山本周五郎が、書物を通じて他人の糧として残したものが、いかに大きいものであったか。本書を読んで先ず気付いたことはこの事であった。権力と、人間の器量や他者への影響力とは、本来全く無関係、やや誇張気味に言うと、むしろ相反関係にあるようにも感じられる。本書に掲げられる小説の中で、個人的に未読の「青べか物語」、「柳橋物語」、そして、既読ではあるが、記憶の彼方に遠くなってしまった→(2)2016/07/02

GO-FEET

2
★★★☆2016/05/27

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