内容説明
髪型を変えれば、人生は前向きになる!
学校職員の須川沙紀は、気が弱くて後輩にも強いことがいえない性格で、仕事はできるのだが回りからなめられていた。しかも、ワンマン経営を行っている理事長の命令で、架空の議事録作成もさせられていた。これは、理事長の横領や背任を正当化することになっていた。思い切って髪形を変えようとした沙紀は、初めての理容店に行ってみる。睡魔に襲われて起きた沙紀の眉毛は、これまでと違ってきりっと細く吊り上がっていた。すると、周囲の人間の反応が変わってきた……(「眉の巻」)。
ひとり暮らしの岩瀬かえでは、帰宅したマンションで泥棒と鉢合わせしてしまう。恐怖の中で犯人は撃退したが、その日は会社の同僚の家に泊まった。翌日、自宅の錠を変えベランダに防犯対策を施したかえでは、髪形を変えることにした。雨に降られて雨宿りしたのが理容店だったため、そこで髪を切ったのだが、気持ちよく寝ているうちにオドロキの髪になっていた
……(「守の巻」)。
仕事で追い込まれている人も、私生活が冴えない人も、髪形を変えれば人生は前向きになる!ある町の女性理容師の店で始まる、胸のすくような6つの物語。『わらの人』を改題しました。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
おしゃべりメガネ
104
ハードカバー『わらの人』にて読んで、文庫化改題にての再読ですが、我ながらびっくりするくらい内容を覚えてなかったので、初読レベルでした。とある小さな町にあるちょっと不思議な理容店での出来事が6編の短編にて綴られています。髪をきる、髪型を変える理由やタイミングは人それぞれでありながら、それがキッカケとなり、ちょっとしたライフスタイルにおいて転機となるお話です。髪型1つで何かしら自分に変化があり、前向きに変われたら、それはそれでステキですよね。今まで見えてなかったモノ、気づかなかったコトがわかるっていいですね。2024/05/17
にいにい
55
山本甲士さんは、好きな作家さんの一人。この作品もさらっと読めて、嫌なことを忘れさせてくれる。理髪店の女店主の眠気を誘う抜群のマッサージで夢うつつから覚めると、髪型や眉と伴に内面まで、変化し、理不尽な社会に対抗出来るようになる6篇の短編集。まさに、「かみがかり」。「道の巻」、「犬の巻」と特に、「花の巻」が良かったなぁ~。2017/09/29
coco夏ko10角
30
どのお話にもとある理髪店が出てくる6つの物語収録の連作短編集。嫌な感じの人やしょうもない上司に対して「おぉ、言ってやった!」の流れがいい。実際の自分にはとても無理だけど、だからこそこういう小説内のそういった場面ではスッキリしたい。女性理容師さんがメインのお話も読んでみたかったな。 単行本タイトル「わらの人」2016/02/02
スナイデル
25
3.52021/12/19
くまちゃん
24
不満な日常の中、気分転換に髪を切り、予想外な髪形になった事をきっかけに人生が変わったという6話。良い変わり方もあったが、「守の巻」は大丈夫?って思った。2022/11/24
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