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内容説明
殺した敵は26人、殺した「味方」は40人!
近藤勇、土方歳三、沖田総司らが、京都で剣を振るい、最期は武士らしく散っていった――そうした新選組のストーリーは「勝者」による一面的なものにすぎない。
新選組約520人の隊士のうち、40人が内部粛清や・暗殺で命を落としたとされる。そのなかには創設者の芹沢鴨や、新見錦、副長の山南敬助、参謀の伊東甲子太郎、隊長・藤堂平助といった幹部クラスも含まれる。
主導権争い、路線対立、裏切り・・・粛清された“敗者”の視点から、組織が抱える暗部をえぐり出す、全く新しい新選組論!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
かわうそ
64
★★★★☆新選組の歴史は幕末の激動の歴史を表していると言っても過言ではない。暗殺した人数よりも粛清した人数の方が多い(暗殺した人数26人、粛清された人数40人)という比較の仕方には同意はできない。水戸藩出身の隊士(芹沢グループ)は「尊王敬幕」、近藤グループはあくまでも親幕であるという同じ「尊皇攘夷」の立場でありながら幕府と朝廷が対立した場合どちらにつくかという微妙な思想の差で対立し、粛清に至るというところに中核VS革マルを彷彿とさせるようなものを感じた。歴史は同じことの繰り返しである。2017/01/06
Die-Go
55
図書館本。新選組において隊士の粛清は連綿と続く組織作りに欠かせないものだった。その粛清の歴史を文献を基に羅列する。しかし、てっきり、粛清によって如何に新選組の組織作りがされていたのかを深く論じるとばかり思ってたので拍子抜け。結論も何もない。買わなくて良かった。★★☆☆☆2018/01/26
こばまり
51
組織論というよりも、鴨、山南、甲子太郎の顛末を改めて。この手のものをいくつか読んでうっすら気付いていたが、がむしんこと永倉新八翁の晩年の振り返りがその後の研究者をわりと翻弄している。2022/03/12
り こ む ん
35
組織論なのか?粛清された側にスポットをあてたのは分かるのだけど…組織論としてのべられているか?と聞かれると…普通に新撰組を語るにあたり出てくる粛清の史実。冒頭の表がいくらか、論じてる感は有るけれど形だけで、組織論ではなく「粛清の史実」かなぁ?2017/09/17
優希
33
新選組における粛清の歴史を芹沢、山南さん、甲子太郎を軸に、他の隊士と絡めて語っています。各々が新選組のどのような立ち位置にいたのかが分かりやすく、何故粛清されたのかの意味を知ることができました。組織論というより人物論という印象です。新選組が敵より隊士を斬っていたというのが意外でした。2025/02/08