内容説明
迷いながらも真摯に生きる登場人物の姿を、瑞々しい文章で丁寧にすくいあげる作風で、静かな、けれども熱い視線を注がれ続けてきた著者。2011年刊行『誰かが足りない』は2012年本屋大賞の第7位に選出。2015年秋に上梓された『羊と鋼の森』は直木賞候補となったほか、「キノベス!2016」第1位、「王様のブランチ ブックアワード 大賞」に選ばれ、このたび「2016年本屋大賞」に輝いた。単独の著書として10冊目にあたる本書は、著者初のエッセイ集。大好きな本や音楽、そして愛おしい三人の子供たちと共にある暮らしを紡いだ身辺雑記。やさしくも鋭い眼差しで読み解く書評。創作の背景を披瀝した自著解説。瑞々しい掌編小説――読者の心を熱く震わせる「宮下ワールド」の原風景が詰まっている。掌編小説2編とエッセイ2編を特別収録。宮下ファン必携、極上の一冊だ!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ミカママ
312
作家さんの描くエッセイが大好きだった時期がある。あれは、ないものねだりだったのかしら。宮下さんの作品はいくつか読ませていただいたけれど、ごめんなさい、強烈な印象をわたしの中に残す作家さんではなかった。『スコーレ』や『太陽のパスタ』などの代表作は読んでみたい。2018/03/18
SJW
190
宮下さんの初のエッセイ集。普段の生活で感じとこと、子供達のこと、好きな音楽、好きな本、他の作家の作品の書評、掌編小説など、宮下さんがどんな人であるかが見えてくる作品だった。特に宮下さんの作品についての思い入れや背景についてのエッセイは、小説の裏話のようで興味深かった。また小説を書くときにプロットを作らずにあるがままに書き進め、頭に降りてくるストーリーを書くという書き方に驚く共に納得してしまった。2019/06/26
hiro
125
いい小説に出会うと(今回は本屋大賞の『羊と鋼の森』)、その小説は書いた作家はどんな人か知りたくなり、エッセイを読みたくなる。ということで、ちょうど文庫化された宮下さんの初エッセイ集を読んでみた。この本は、エッセイだけでなく、書評、自著解説(この本の解説が載っていて不思議な気分)、そして掌編小説もあり、大変お得な感じがした。宮下一家の北海道への山村留学と、『羊と鋼の森』の舞台が重なった。また、プロの作家が書いた小説が載っている同窓会誌が羨ましい。次は自著解説で気になった『スコーレNo.4』を読もうと思う。2016/09/09
ふじさん
100
好きな本や音楽、愛おしい3人の子どもとの暮らしを紡いだエッセイー。作家の目線で読み解いた書評。私は、「羊と鋼の森」「誰かが足りない」の2作しか読んでいないが、創作の背景を披露した自著解説。瑞々しい掌編小説。宮下ワールドを存分に味わえる1冊。読んでいて一番面白かったのは、他の作品の書評、自分で読んだ作品も何冊かあり、興味深く、作家の厳しい視線や物の捉え方に多くの示唆を貰えた。違った形で、本を読む楽しさや読み方を教えて貰えた作品でもあった。 2022/07/01
さおり
96
宮下奈都さんのエッセイ。とても、おもしろかった。我が家がとってる新聞に掲載された文章も載ってて、知っている地名がたくさん登場して、時々これは私なんじゃないかと思うほどの親近感を感じました。宮下さんの直筆だという題字も、私が書く字と似てる気がするし。とかって、実際には全然違うのにそんな風に思わせる雰囲気が、宮下さんの文章には、ある。この本にはたくさんの本の書評が書かれてるんだけど、どれもこれも読みたくなっちゃって困る。っていうか、まず宮下さん作品をコンプリートしたくなる。ずるいよ宮下さん、読むけど。2016/11/28
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