新潮文庫<br> 幸福論

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新潮文庫
幸福論

  • ISBN:9784102001189

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内容説明

多くの危機を超えて静かな晩年を迎えたヘッセの随想と小品。はぐれ者のからすにアウトサイダーの人生を見る「小がらす」など14編。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

aika

59
右にならえ、ができず、アウトサイダーとして生きたヘッセが綴る『幸福論』と題された随想の端々に、神経痛に悩ませられながらも溢れ出る生の実感、そして老齢の哀切と達観とが感じられます。ヘッセの代名詞である『デミアン』や『車輪の下』をそのまま辿っているような、ヘッセ少年と友達との切ない思い出や、ナチスに抵抗した旧友との数十年ぶりの邂逅、ヘッセ文学の愛読者である東京の少年から送られた手紙に対する著者の眼差しの温かさなど、まるで目の前にヘッセその人が佇んでいて、人がらが文章の底から伝ってくるような感覚になりました。2020/07/18

活字の旅遊人

45
14編の短い随筆集。晩年の作であり、裏寂しさと達観が入り交じり、何となく入りづらかった。中ほどにある「小がらす」「マウルブロン神学校生」から急に引き込まれた。「エンガディーンの体験」も共感。続く「過去とのめぐり会い」は、詩についてのネタで始まるのだが、詩を小説に置き換えて読む。ああ、おっしゃる通りです。と反省し、ひれ伏します。表題の「幸福論」を最後に読み返す。ズハリ書ききらないように思うが、やはり「自由」ということなんだろうね。しかも、「安心」に裏付けられている「自由」。「知と愛」への思い入れもすごい。2022/11/12

meg

38
10代の頃から愛読するヘッセの作品。 心が洗われるような美しい文章。幸福のかたちは人の数だけあるのかもしれない。しがらみは振り払いたい。2024/06/17

もちまる

35
ヘッセの随想や手記がメインかな。まだ読んでない本のこともあり、他のを一通り読んだらもう一度読み返そうと思います。2019/06/30

加納恭史

29
ガラス玉遊戯は大書なので読み進まず、少し休み、ヘッセの晩年のこの「幸福論」を読む。初老の彼の作風は変わらない。祖父に似た感じがしていて、若い頃から彼の作品には共感する部分があり、好きだった。「郷愁」から魅了された。彼の感性が良い。「デミアン」や「知と愛」も良かった。初老ともなると、湯治の話がやはり出て来る。若い頃よりも温泉の暖かみが身に染みる。彼はバーデンの温泉が特に好きでよく訪れたよう。最初の話はそこから自宅にトランクを荷づくりして送った時、届かなかったので、大事な中身ごと盗まれたとショックを受けた話。2024/02/15

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