新潮文庫<br> リルケ詩集

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新潮文庫
リルケ詩集

  • ISBN:9784102175026

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内容説明

現代抒情詩の金字塔といわれる「オルフォイスへのソネット」をはじめ、二十世紀ドイツ最大の詩人リルケの独自の詩境を示す作品集。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

108
初めて読んだ中学生の頃は、この難解さに圧倒されてたんだな。今読んでもよくわからない詩はたくさんある、けど深く味わえた詩もいくつかある。特に「孤独」「小川が土地を酔わせている」「薔薇色のあじさい」が良かった。そしてわかりやすいから好きというのと、わからなくても好きというのと、理解できても好きになれないものがあるなぁと気づかされた。それにしても詩集っていうのは、やっぱり作者の原語のままで読まないと意味ないよなぁ。毎回そう思うのについつい訳詩で読んでしまう。2013/11/14

KAZOO

102
リルケの詩集です。私は詩集というとドイツの作者のものをかなり読んできています。その中でもシュトルムとリルケはかなり好きな方です。シュトルムは若干甘いところがありますが、リルケの詩は読んでいても非常に身に染みるという気がします。私が年を取ったということなのでしょう。この詩集は全集を編纂されている富士川英郎さんが訳されていて岩波文庫のよりも古臭く感じられません。再読に耐えうる詩集です。2023/09/27

lily

102
リルケの手に触れられたかな。まだなんだかもどかしいよ。1知ると100知らないことが湧いてくるばかりで。でもそのベクトルと波動と湿度を愛と呼ぼう。全方位で波形を探るね。心臓重なる瞬間を。2021/04/24

夜間飛行

84
《私がその中から生まれてきた闇よ/私はおまえを焰よりも愛する》…闇は《いろいろな物の姿や 焰や 動物や 私を》抱いている。《永遠の人よ あなたは私に姿を現わされた/私はあなたをひとりの息子のように愛しています》…永遠の人、あなた、ひとりの息子……同一の存在を指す言葉が巡りゆく空洞の深さゆえ、痛みにじかに触れてしまう。《私の目を消してごらんなさい 私はあなたを見ることができます》…あなたは曙光であり、露、少女、見知らぬ男、母、死…ここでも言葉が巡らされている。闇が抱く悲しみ、愛…私の語彙では追いつけぬもの。2016/05/22

カナン

61
久々に再読。リルケと云えば薔薇で、彼の詩は闇の中で息を潜める植物園のそれのような、鉱物で作られたそれのような、凍りついて結晶化したそれのような。硬質な美とそれ故の脆さが酷く誘惑的。生に苦悩し、救済と愛を求めながらも己という存在意義を見失う恐怖に抗い続け、それでも同時に甘美な死の香りに惑う様は、彼自身が鋭く細かな棘で世界の不条理に歯向かい必死に身を守ろうとする一輪の薔薇。頁を捲れば、愛したくもあり手折りたくもなる、この胸がざわめく感覚が好き。2014/02/23

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