内容説明
IT企業の最終面接に臨んだ河東俊介は、目を疑った。面接会場は無人で、テレビモニターとビデオカメラ、そしてスマホが置かれているだけだったのだ。スマホからの声は、彼にとんでもない指示を出し始めた――。(「見えない相手」) 強烈すぎる面接官、思いがけないトラップ……。学生たちの就職活動で起こる驚くべきできごとをリアルに描く、映画「シュウカツ」原作!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
蒼雨
24
どんな話かかるくワクワクしてました。就職活動なるものは特にきちんとやったことないので、今の就活ってどんな感じかなーって思ったらホラー小説?って思うような感じでした。全体的にお化け的な意味ではないけれど怖くて。2016/04/12
のんちゃん
6
2016年春公開映画の原作。4人の学生の就職試験面接の話。映画の原作なので、エンターテイメント重視の作りで、いろいろと誇張された面接場面が繰り広げられる。が、よく耳にする圧迫面接の一端を垣間見る事もでき、「はーん、そう迫るのね!」と興味深かった。おまけに付いていた、女子大生に関しての脚本の部分が怖かった。所謂ストーカーの話。個人情報保護法が徹底されている世の中なのに、時代の進化ツールがそれを裏切っているのかもしれない。2017/01/22
ラムネ
5
常識は共有できている、皆そう思っている。自分はノーマルで、アブノーマルな人はそんなにいないと。でも実は、お隣同士や身近な人でも大きな違いがある。同じく会社にも、会社それぞれの常識がある。とんでもないしきたりや慣例がまかり通る。それは同じ組織に属することができるかどうかの、通過儀礼も兼ねているから逆らうことはできない。むしろそれを心地よいと感じられるかどうか。そして一度慣れ親しんでしまえば、それはすっかり当たり前となる。就職活動とは、そうした未知の世界との遭遇であり、一種のホラーなのかもしれない。2016/06/26
yamakujira
3
就職活動をテーマにした5編のオムニバス。現実の就職活動の苦労や失敗談に通じる話ではなくて、面接官がいなかったり、強権的な圧迫面接だったり、覗かれていた私生活を追及されたり、待合室に挙動不審の同席者がいたり、最終面接での奇妙な物語はホラーテイストながら、屈することなく難題をクリアする受験者たちに、若者へのエールを感じる。毛色の違った最後の掌編は、若い女性への啓蒙かな。そんな読み方をしたけれど、残念ながらどれもおもしろくなくて、薄いからすぐに読めることだけが救いだった。 (★★☆☆☆)2019/01/12
すー
2
就活の変わった面接を集めた短編集。もし私がこんな面接に出くわしていたら絶対ココロが折れてしまっていただろうなぁ…2017/05/22