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内容説明
こどもから大人まで、ひとが集まり、楽しめ、学べ、また来たくなる建築空間は、どんな発想と理論から生まれるのか。設計で人は集められるのか。こどもが元気に育つ空間の条件とは何か。数多くの有名な幼稚園、保育園、子供向けの公園、施設を手掛け、近年は新・広島市民球場、国際教養大学図書館などでも注目を集める環境建築家のシンプルかつ深遠な、建築論、デザイン論。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
びす男
51
新広島市民球場や国際教養大図書館などを手がけた、建築界の第一人者による新書。事例を基に、建築の背後にある狙いが紹介されている■知っている施設もチラホラ。柏崎市文化会館は、つい足を運んでしまう。あの居心地の良さは何だろう……と思っていたら、こんなに深い哲学があったのか■主題は建築だが、その発想は他分野にも援用できる。コストに加え「どのくらいの期間、人に使われるか」を考える視点や、本質を捉えてから設計や具体化に移る姿勢とか■最近は綺麗な公共施設も増えた。設計者の意図を知らずにいるのは勿体ないのかもしれない。2020/01/06
ばんだねいっぺい
34
人が集まる建築の秘密は、目眩感覚の味わえるラビリンスのような「遊環構造」か。ハードとしての追求を見ていくと、逆説的に、でも、ソフトとしての人間もいなくちゃ、始まらないんだよなとも思えてくる。建築の力も大きいが、それを倍にするのも半分にするのも人間なんだよなぁとそんな風に思った。2019/03/20
ふろんた2.0
27
ちょっと自画自賛みたいなところがあるけれど、建物の美観だけでなく、そこに足を運ぶ人をいかに楽しませることができるかに着目している。これ読むとやっぱり新国立競技場は映像としての見栄えを気にして、スタジアムを訪れる人のことを置き去りにしているように思えてならない。2016/06/06
うわじまお
21
新広島球場の入場者数を倍にした秘密。幼稚園など、こどもが元気にすくすくそだつための環境。学びたくなる国際教養大学の木の図書館。「遊環構造」という仙田氏独自の設計手法を氏の手がけた作品を通して学べる。自分の仕事は建築系ではないけれど、非常に勉強になりました。2016/06/20
たくのみ
19
広島カープの新球場はなぜ家族で楽しめるのか。それは「遊環構造」にあった。子供が登園するのが楽しいワクワクする「ゆうゆうの森幼保園」段差があると居心地がよくなる「ブックコロシアム」どろんこ保育に適した、大地も建築も巨大遊具としてとらえる「野中保育園」非常識と攻撃性を持った教育施設「浜松科学館」人を幸せにする環境デザインの数々。こんどの新国立競技場もこういう発想でできたらなぁ。2016/05/30